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Caution Explosiveスリックの謎
Wizardoが出したZEPブート「Caution Explosive」には個人的にずっと気になっていた謎がありました。それはゴドウィン本に書かれていた以下の記述。
![](https://assets.st-note.com/img/1714730251864-mUt8K303BH.jpg?width=800)
曰く「オリジナルのスリックは爆竹の写真と共にLed Zeppelin: Caution Explosiveとタイトルが載せられている」という表記なのですが、そんなスリックは一度も見たことがない。コレのスリック別バージョン違いと言えば初回スリックと違ってタイトルや曲名が載っている再発スリックだけ。
![](https://assets.st-note.com/img/1714730642704-0R1SHeWs9P.jpg)
どこにも爆竹がなく、明らかにインフォ無さすぎ初版スリックの不評を受けて作り直されたものだと推測できます。
![](https://assets.st-note.com/img/1714730807905-dtIvlfiGjL.jpg?width=800)
結局ゴドウィン本にあったスリックは何かの間違いではないか?そんな初版スリックは存在しないのでは?ということで誰も気にしなくなっていました。本当にリリースされてれば大なり小なり実物が現存しますしね。
もはやスリックの件もすっかり忘れていたのですが、2020年になって突如スリックの謎が解明されました。それもジョン・ウィザード自身の証言によって。彼がフロイドブートサイトのインタビューに応じ、それがHeart Of Mineサイトに素晴らしい翻訳で掲載されています。
ところがフロイドブーツによるウィザードのインタビューはその後も続きHeart Of Mineサイト翻訳されていないパートがあるのです。そこで「Caution Explosive」に関する重大な証言が載っていたのでした!
ウィザードは「Caution Explosive」に関する思い出を語ってくれているのですが、そもそもの始まりはZEPがアーバインのカリフォルニア大学でZEPがやったライブを学生がサウンドボードで録音したからそれを出したい…というオファーが来たそう。サウンドボード・テープ提供の話に喜んだウィザードは中国の爆竹をコラージュしてタイトルを「Caution Explosive」としたスリックを用意したのだと。
そう、ゴドウィン本に語られていた「爆竹スリック」の件について証言してくれているではないですか!おまけにカリフォルニア大学(1969年5月1日)は未だに一切の音源が発掘されていない日です。
ところがテープをオファーした人物がブートレグを出すことをビビッてしまい「やっぱやーめた」とサウンドボードの提供は幻に。それと共に爆竹スリックもお蔵入りになってしまったと…なるほど。
だがしかし、リリース予定を立ててしまったものだからウィザードは困った。そのインタビューでウィザードは「ドイツからの酷い録音を代わりに使った」と証言していますが、これは「White Summer」関連か何かと勘違いしているのでしょう。実際には「Blueberry Hill」からのコピーに69年ウィンターランド、それに何と言っても自分の演奏(笑)「ABC Song」で埋めた二枚組LPをリリースしたのでした。あの素っ気ないスリックと共に。
とはいえゴドウィンの記述と幻のスリックの話は見事に辻褄が合っています。ということは彼がどこかの時点でウィザードからリリースの顛末を聞いて、それを本に書いてしまった…といったところではないでしょうか。やはり例の「爆竹スリック」はリリースされていなかったのです。
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