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新企画「じんぶんのしんじん」について

 人文書院ではnoteにて、新刊案内やイベント書き起こしなどを掲載し、自社商品の販売促進を行なっています。2022年は人文書院設立100周年の節目にあたる年であり、「時代を切り取る良質な文章を世に出す」という出版の基本に立ち返り、新たな企画を立ち上げることにいたしました。

 人文知が無力化しつつある現代社会において、現実とその一歩先を照らすような知の言葉は歴史からどのように汲み取ることができるのか、あらためて問われているように思います。近視眼的にならず、過去の焼き直しにもならない、そんな言葉を探るための「実験の場」として、本企画を始動いたします。

 「じんぶんのしんじん」という企画においてめざすのは、新しい書き手の躍動の場になること、そして学術的・専門的知識にとどまらない「人文」というジャンルの豊かで刺激的な知の営為となることです。

 まずは、シリーズ「批評の座標――批評の地勢図を引き直す」にて、毎月2名の新人批評家・ライターたちが過去の日本の批評家・著述家たちを紹介します。かつて日本の人文知の在り方を規定していた批評家たちの仕事を振り返ることで、いま読まれるべき・発すべき言葉を探っていきます。

「批評の座標――批評の地勢図を引き直す」

■2023年4月から連載開始、月2回記事を掲載します(4月は1回のみ、1年間連載予定)。

■書き手は新進気鋭の批評家・ライターの方がたにお願いします。

人文書院



*編集補助班より愛をこめて

 「批評」。この根拠がない営みは、ただ、その文章内に先行する批評家(小林秀雄、吉本隆明、江藤淳……)との緊張関係が内在するか否かによってこそ測られてきた。

 「群像新人賞評論部門」や「すばるクリティーク賞」が無くなった現在、我々はどのような座標軸に自身が置かれ、いかなる緊張関係の下に言葉を発しているかを明示することからしか、「批評」を始めることができないそこで本企画では、「批評の座標」という形で、若手の書き手たちが先行する批評家の言説を紹介する場を用意した。

 本企画では、かつての批評家たちが織りなしてきた地勢図を若手の書き手たちが解きほぐしていく。我々の描き出す地勢図が、読者の皆さまに文化や歴史を理解するうえで不可欠な見方や論点を示すことができれば幸いである。

(編集補助班、赤井浩太・袴田渥美・松田樹)



*バナーデザイン 太田陽博(GACCOH)


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