30. 人生で初めて推した人が姿を消してしまうらしいので。

やっぱり、2017年の冬から、2019年の春くらい。あの頃が、やっぱり、一番自分にとって大事な時期。狭い世界しか知らなかった自分が、一番充実してた時期。今でも、あの頃の感動が、情熱が、僕の原動力になってる。

あの頃、僕が乃木坂オタクの友達に言ってた言葉、今でも自分で覚えてる。
「僕は、アイドルっていう職業そのものは尊重するけど、アイドルになろうとする奴がまともだとは思わない」ってね。
一番尖ってた時期だったし、やっぱり可愛い女の子が好きだって思うことに恥じらいもあったんだろうけど、結構強烈なこと言ってるよね、今思うと。

中ニで初めてスマホを買ってもらって、塾の自習室でそれがめっちゃデータを食うことも知らずにyoutubeで音楽聴きながら勉強してた。気づいたら、いっつも同じ曲ばっか聴いてて。気づいたら、MVに出てくる一人のメンバーが、好きだなって思ってて。


ずっと、アイドルなんてクソみたいな商売だと思ってた。人間の容姿を消費の対象として使って、盲目な人から金を巻き上げて。今でも、100%それが間違ってるとは思わない。だけど、大事なのは、本質はそこじゃないってこと。


とにかく、辛かった。毎日はとっても楽しかったけど、これから生きていく社会に、いろんな現実を突きつけられて、ひたすらに、どこを見ても、闇だった。そんな中で、推しメンっていう存在が、グループを推すっていう行為が、僕にとっての、光だった。どういう論理なのか全くわからないけど、グッズを買い漁って、ライブに片っ端から応募して、キャンペーンはかならずコンプリートして。そんな日常が、光だった。


とは言っても、別に推しだから全肯定するみたいなことはなくって。最初に見た時も、すごく未熟な人だなと思った。5人兄妹かなんかの末っ子で、とにかく家族に大事に育てられて、だから人前で「パパ」とか言っちゃうし、すごく"子供"だった。それに、普通にバカだったし。僕が一番嫌いそうな感じなのにね。よくわかんないわ。


とにかく、そんな彼女には、やっぱり社会はかなり高い壁だったみたいで、結局心の病気的なやつで活動休止しちゃったし、戻ってきてからもなかなか不安定で、結局一番最初に卒業しちゃって。僕的には、なんなら一番熱入ってた時にそんなことになっちゃったもんだから、人生で一番デカい声で「え⁈」って言った記憶はあるよ。


その後、舞台女優的なことをやってたみたいだけど、まあ結局人間っていうのはなかなか変わらないもんで。辺な貞操観念ガバガバYouTuberにつかまって、できちゃった婚したと思ったら、そいつが未成年妊娠させて堕ろさせたとかなんとかで、まあかなりカオスなことになって、結局心に傷を負ったシングルマザーみたいな感じになって。っていうかここまで言ったら割と誰のこと言ってるかわかっちゃうわな。まあいいや。


で、今日に至るわけだけど。もう、嫌になったんだってさ。芸能界にい続けんの。いろいろあってから、週刊誌につけまわされて、でも仕事柄しょうがないのかなって割り切ってたけど、とうとう我慢できなくなって、子供を守るためには仕事をやめるしかないって決断したらしい。まあ、こうなると、世間はまた週刊誌がやってることは犯罪だってギャーギャー言うんだろうね。まあ、それはその通りなんだけど、マスゴミなのは最初っからわかってるから何を今さらって感じだけど。


別に、もう特になんの感情もないから(この表現別れたカップルみたい)、別に彼女がどうなろうとあんまり興味ないんだけど、それでもやっぱり、もしあの時、あのMVに映る彼女をみていなかったら、多分僕は今より三回りくらいつまらない人間になっていただろうなって思うから、もうあの人の姿が見れなくなるって考えると、色々と溢れる思いがあって。


あの頃に、思いを馳せて。

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