続・僕、盲腸になったよ
(2016年4月21日公開)
※本文中に出てくる登場人物の発言や行動は全て本当にあったノンフィクションであり、一切の誇張や過剰な演出はありません。
昨年暮れの、ゆるめるモ!ZEPPワンマンの前日に襲った虫垂炎。抗生剤でチラシてなんとか乗り切り、今年に入りもはや盲腸のモ!の字なんか忘れていた3月末、明け方になんだか以前感じたことのある痛みがお腹の奥からやってくるではありませんか。あらあら、昨日そんなに食べ過ぎたかな、なんだろな、お通じもそれなりにあるし.....
あ、モ!ね
アレね、あの去年散々だった、あれね。
と言うわけで軽い失意と共にいよいよ痛みが増すその前に朝一番で同じ病院に駆け込み、
盲腸なんです。
入院、手術なんて生まれて初めてなので、逆にどれだけ大変なものなのか想像に乏しいまま翌々日から硬いベッドで1日絶食を強いられ、執刀医からの手術の内容、いわばセットリストを見ながら説明を受けるのですが、質問を仰がれた際に「退院してからすぐはドラムなんか叩けますかね?」と聞いたところ「僕も昔ドラムやっててね、シンバルがジルジャンでね...」と自分のセッティングについて語り出したので、あ、多分大丈夫なんだなと少し安心しました。
いよいよ手術の時間となり、仰向けに運ばれ手術室に入り、見上げた天井にはまさにドラマのシーンにある円形のライトに照らされ、あぁこれか、この光景多分老人になったときにまた見るんだろうな、いやもっとその前の段階かななどと思っているうちに、なんとなく緊張してきたところ背中から全身麻酔を打たれ、左手の方が痺れてきたなと思った直後に覚えているのは、起こされて「終わりました」とチャンジャのお化け、生きてる唐辛子のような虫垂が入ったビニール袋が目の前にかざされていたことでした。
つくづく麻酔ってすごいですね。麻酔が発達して無かったら、現代の医療はここまで発達して無かったでしょうね。と朦朧としながらも感心しながら病室に運ばれ、手術は無事完了となりました。
それからはあのアレ、なんて言うんですかアレ、カテーテル?バルーン?麻酔でマッヒーな人がおしっこ出るように尿道に管を通されているのですが、その痛み。今思い出すだけでもしゃがみ込みたくなる程辛く、看護師さんに懇願して抜いてもらったときの痛み。今思い出すだけでもしばらく座って呼吸を整えたい位で、その後の尿の出にくさとの戦いは熾烈を極めました。またそれに加え、痴呆を超え神の領域に達している爺さんが他の病室におり、24時間本当に四六時中、いつ寝てるんだろうと不思議に思うくらいの鳴り止まないシャウトとの戦いで、入院てもっと休めるもんだと思っていたんだけどなという神話が一気に崩れ落ちました。入院て、修行に近いです。
そんなこんなで流動食から徐々に味のある食事に戻りつつある4日目に、ようやっと退院となりまして、無事通常営業に戻りました。入院中に一つ作曲仕事を片づけたのですが、仕事というのはPCと集中力と締め切りさえあればどこでも出来るな、と遠くから鳴る神のシャウトをイヤホンの隅から聞きつつ実感致しました。
そんな訳で皆さん、僕はもう二度と盲腸にはなりません。ご迷惑おかけすることはありませんので、いつでもオファーお待ちしております。
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