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深い傷をペンキで埋める

タイトルは、ザ・ハイロウズ ユーのカーの一節です。

人生において、何らかのきっかけで傷を負うことは少なからずあります。

傷は、深かったり、浅かったり、いろいろ。

ツバでもつけて直したとけ!

自分にとって深く思えた傷も、周りから見ると浅く、ツバで直せと言われることがあります。

そんな時は、ツバを塗るフリをして、ペンキを塗り込んだりします。

原因を探らず、自然治癒を待たず、雑に全てを埋めていきます。

埋めるというよりは、消すという感じでしょうか。

いや、消すというよりは、隠すというべきでしょう。

未解決のままに…

ペンキは、そこに傷があったことを隠し、さらに元の状態からそれを違うものに変えてしまいます。

光の当たり具合で色が変化するような繊細で、壊れやすかったその表面は失われ、ただ均一に光を反射する、m&m'sのような、単一の色イメージを与えるような存在になるのです。

それまでは、道端で出会えば風景に混ざり合ってしまい、記憶に残ることさえできなかったものが、流布され尽くした、コンビニで売ってあるようなとても短いことばで言い表されるようになるのです。

そうなることで、この世界に流通しやすい「形」を持って私たちは再登場するのかも知れません。

多くの場合、ものの有用性は端的なことばによってラベリングされることで流通の運命を辿ることが出来るようになります。

使えるということは、同時に説明できるということでもあるのです。

あなたは…

あなたは、何色のm&m'sとしてその場にいたいですか。

そこでのペンキの色は何色ですか。

ペンキは、あなたの願いによってその時々できっと色を変えるでしょう。

求められる色。理想の色。必然の色。

あなたが見ているあなた自身のペンキの色は、他人が見ているペンキの色と同じでしょうか。

さあ、わかりませんね。

・・・

m&m'sよりマーブルチョコ派の私は、とりあえず色も見ずに10粒ほど口に放り込みます。




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