空、飛びたい

日々、自分は何かに向かえているだろうか。

このまま目の前の金稼ぎだけを毎日やり続けて、気づいたら人生が終わる。

目の前のことをやりたくない。


自分の人生だけを生きたくない。

自分という存在の延長を、何かに留めておきたくない。


あらゆる物理法則に束縛されたくない。

無限に広がっていく思考を一つの型に入れたくない。


思考は空を飛び、鮮やかな世界を形作る。

地を這ったり、飯を食らったり、転がっていくものを追いかけたりしたくない。


雲を眺め、月を眺め、季節の匂いを感じ、星空に吸い込まれていく。

精神は身体を抜け出し、天だけに向かう。

未だ見ぬ世界だけを望み続けている。


右も左も上も下も感じない。ただ永久に漂うだけで良い。

そんなものが、生の元に芽生えたものとは思えない。

いつだって、この世界に漂い続けることができる気がしている。

そうやって目を開けると、いつだって地べたがすぐ目の前に広がっている。

足元に転がる光り物を無我夢中で探し続けることになる。

心は空を向きながら。

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