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『カラマーゾフの兄弟』紹介その⑧

第一篇 第一 『フョードル・カラマーゾフ』

~クソ親父の話をひたすらwでも実は…~

 ようやく本編突入ですw

 『フョードル・カラマーゾフ』は3人(斎藤工ドミートリィ、市原隼人イワ”ン、林遣都アレクセイ)の父親です。

 ドラマでは吉田鋼太郎さんが役をつとめた、あのクソ親父です!w

 ドラマ見た人はシンプルに『なにこのクソ親父…』と思われたかもしれません。

 そんなフョードルは…、

――ただやくざで放埒(ほうらつ)…

――のらくら者…、

――淫乱無比の男…、

 ご安心ください、ドラマと同じく、原作でもなかなかのクソ親父ですよ~w

 結婚は2度。

 一人目の妻は、地主の娘。

 いわゆる『令嬢』とよばれる貴族の娘をそそのかし、『駆け落ち』決め込みます。

 一子をもうける。すなわち長男のドミートリィ。

 しかしその後、

妻「あっ、ヤバい、クソだこの夫…」

 冷めてすぐに自分の夫が『クソ野郎』と見抜いてしまった、妻というwww

 恋は盲目ですねぇ…w

 自然、関係は悪化。ケンカの毎日。

 妻は別の男(←貧乏教師)と『駆け落ち』…(2回目)。

私「このあたりはよくありそうな話だなぁ」

 しかし、こっからよ…、

 妻は令嬢。

 駆け落ちしたといえど、しっかり領主である両親からは仕送りがあった。

 ちゃんと、そのお金をかすめ取ってるフョードルさんwww

 しかも、妻のいなくなった家を『淫乱の館』にしてしまったwww

 もう、ヤリたい放題www

 目も当てられない状態www

 見事なクソっぷりwww

 やがて、その駆け落ち妻が死んでしまった報が、届く。

フョードル「今こそ放たれぬ」

 これ、どういうことかというとですね…、

 キリスト教の背景が強く、駆け落ちしたといえどその相手に対して『一生の愛を誓っている』ため、我々日本人が考える以上に、『結婚』における契約がシビアなんですよね。

 とはいえ、『妻が死んでくれたお陰で、俺はようやく自由になった!!』という…いやマジでクソすぎるぜフョードルw

 …と、ここまでなら『あーもう完璧なクソ親父』で終わりなんですが、

――小さな子供のようにしゃくり上げて泣く…、

 というフョードルの姿があったそうですね。

 妻を傷んで泣く。なんとも思ってなかったわけじゃ、なかった…。

私「いやいやダメですよフョードルさんwwwいまさらすぎるよwww」

▼考察および深読み

 …というわけで、考察および深読みなんですが、

 たぶん、フョードルって、『ドストエフスキー自身』じゃないかなって、思うんですよね。

 少なくても、『ドストエフスキーの経験と意思』は、このフョードルに色濃く反映されている。

 2回の結婚…同じですね、ドストエフスキーも2回結婚している。

 乱れた女性関係…これも同じ。

 ドストエフスキー自らのことを、かなり自虐的に…いやもはや『自傷的』に書いている。

 だからおもろいんだよ…この『カラマーゾフの兄弟』はw

 フョードルはいわゆる『ドストエフスキーの傷痕』。

 いやむしろ、傷口そのまんま見せられてる感じですwww

 これですよねぇ…『俺の傷口を見てくれ』系作家…w

 私のインスタでも、何人か紹介してきましたw

 でも、ドストエフスキーが、たぶん、一番激しいw

 極めつけに、 

 その『俺の傷口フョードルがズタズタに殺される物語なんだよね、この小説は』という…、

 …もう、たまんないでしょwww

 完全なる『自分殺し』を実現させている!

 かの超絶有名な村上春樹先生も「世の中には二種類の人間がいる『カラマーゾフの兄弟』を読破したことがある人と、読破したことのない人だ。」って言われる理由のひとつには、こういったふんだんな『作家性マックス』の作品だからだと思うわけですよ…!

 ですがそういう作品だからこそ、こういう見方をすれば、決して、『カラマーゾフの兄弟』、読むの、難しくないと思うんですよね。(←いやまあ難しいとこはあるんだけどw)

(次回、第一篇 第二『厄介払い』 その⑨につづく…)

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