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お金の話とコミュニケーションの話

【スタジオリノベ日記07】時間堂 黒澤世莉です。いよいよリノベーションのお手伝い募集を開始しました。ご応募お待ちしております。楽しいですよ、破壊と創造。
https://note.mu/jikando/n/ne185067ae94f

4月某日

劇団員は朝から鈴木浩司と、午後から大森晴香が外注先の公演を終えて合流。契約してからはじめてのスタジオ入り。

午前中は、また木下さんに来ていただいて、壁に据え付けのテレビを外したり、ソファーや壁飾りの解体作業をしました。分からないものを試行錯誤しつつ、途中上手にカガミをはがしつつ、二枚目は砕いちゃいつつ。解体作業は危険がいっぱい。安全第一で進めていきます。

午後は大森晴香、鈴木浩司、黒澤世莉の三者会談。当初予定を越えそうなリノベーション予算を、ステキな場所づくりと並立させるためにはどうしましょうか、と話しました。

予算の中で15万円以上のボリュームがあるのは、壁や天井、残置物の廃棄料と、床の材料費です。やはりここを絞らないとダメだろうと。とはいえ床は演劇のリハーサルスタジオとしては妥協できない部分でもあります。

多くの方が異口同音でおっしゃった

「こだわるところは徹底して、譲れるところは譲る」

という言葉がこびりついています。しかし、事業計画を立てるときの

「とにかく運転資金を多めにした方がいい」

という言葉もまた忘れられません。そのバランスをどこで取るかということですよね。正解はないのでしょうが、考えていきます。

そこでひとつ実験をしました。ブロックの廃棄にお金がかかるので、ブロックを捨てない方法はないだろうかと。石膏ボードだけはがせないものかと。結論から言えば、はがせます。たぶん、接着剤が残っている状況は、プロからするとナシなんでしょうが、私たちから見ればこれも味になるんじゃないかなと思っています。これでいいなら行けそう。ブロックを廃棄しないで済むなら、かなり頑張れるのではないかしら。

それでも当初予定からは50%ほどオーバーしそうです。お金のことは悩みが尽きないですね。しかし、清貧でもスタジオは持てるし、スタジオを持てば芸術的に有意だというだけでなく、お金も稼げるのだ、ということを証明したいと思っています。お金の話は芸術家から敬遠されがちですけど、これがないと作品づくりどころか生命維持も大変だったりしますから、やはりしっかり考えて、自分たちの持つ技術で、お金をいただくしくみをつくるのは、いいことなんじゃないかと思います。

もうひとつ、お金のことは関係なく、劇団という単位で場所を持つ難しさも感じています。簡単にいえばコミュニケーション不足なんでしょうけど、お金でつながっている企業や仕事ということとは違う、かといって趣味のサークルでもない、独特の集合体である劇団は、芸術を目的としているので、お互いの行動にかなり自由が効くわけです。だって厳しい管理化で芸術が作られるとか、ちょっと違和感があるでしょう。でも自由と責任はオモテウラなのですが、そのバランスもまた個人個人で価値観が違うわけです。そこですれ違うことは、一個一個修正すればいいだけの話ですが、問題は顔を合わせてそれを解決するだけの時間が、お互いに捻出出来るのかって部分です。これが作れないと、溝が広がるばかりです。

ITは情報の共有は解決してくれますが、コミュニケーション不全の問題にはまったく無力です。

だから、そこに演劇が仕事になる可能性がある、と思うんですね。まずは自分たちの中に置きている問題を、きちんと解決するところから始めましょうか。まずは問題の芽が大きくなる前に行動です。

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