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命の格差消失を願う

 青森県の「死亡率ワースト」記録が止まらない。
 2001年1月の青森県健康増進計画「健康あおもり21」策定以降、健康づくりに関する各種施策が展開されてきた、にもかかわらずである。
 そして今春「第三次青森県健康増進計画」が策定された。
 目標は「健康寿命の延伸と早世の減少」とある。
 期待しよう。

 一般論だが、プロジェクトの失敗原因として「手段の目的化」が指摘される。
 かつて新米産婦人科医として、子宮頸がん検診バスで郡部を巡回した頃の話だ。
 保健師さんは検診率を競い合い、農繁期で留守番のお婆さんの手を引いて集めてきた。
 子宮頸がん好発年齢の女性は畑や田んぼに出かけていたからである。
 これでは、検診率の目標を達成して「やった感」はあっても、死亡率減少には繋がりにくい。

 5月31日は世界禁煙デー。
 WHOから発表された今年のテーマを意訳すれば「タバコ産業の誘惑から子どもたちを守ろう!」になる。
 人間は直感に近い思考回路で行動しやすいため、喫煙のリスクを理性に訴える禁煙キャンペーンは、カッコよさを感情に訴える広告に負ける。
 この広告業界の手法は、たばこに限らずアルコール飲料やジャンクフードでも目につく。
 青森の子どもたちを守りたい。

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