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わたしが書きました(太田宇律)

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太田宇律(おおた・いえのり) 2008年入社。横浜総局神奈川県警担当から社会部へ異動し、警視庁や皇室、刑事裁判などの取材を経験してきました。22年から「時事ドットコム取材班」。ネ… もっと読む
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記事一覧

「ネタバレ実況」ゲーム業界も賛否◆あり?なし?境目はどこに【時事ドットコム取材班】(2023年05月08日)

 ゲームの動画配信が活況だ。自分のプレーを生中継する「ゲーム実況」には芸能人も続々と参入しており、配信の盛り上がりがそのゲームの売り上げを左右することも珍しくない。ただ、ゲーム画面の無断配信は権利者の著作権を侵害する恐れがあり、内容の「ネタバレ」には賛否が分かれる。境界を分けるものは何なのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 4万人が見入った「ゲーム実況」 「どうも皆さんこんばんは、始まりましたEIKO!GO!!」「本日は『バイオハザードRe

「学童嫌だ」消えた笑顔◆ルーツは7年前?小1の壁【時事ドットコム取材班】(2023年04月10日)

 子どもが小学校に入ると、保護者が仕事を続けにくくなる「小1の壁」に注目が集まっている。岸田文雄首相が国会で「打破することは喫緊の課題だ」と発言し、SNSでは「#学童落ちた」がトレンド入りした。「壁」が急速に社会問題化した背景には何があるのか。取材を進めると、7年前に投稿されたブログ記事とのつながりが浮かび上がってきた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 「壁に敗戦」退職決めた母 東海地方に住む39歳の女性は、2022年6月末に12年間正社員として勤

「推しを守る人」ファンも感謝◆性的シーン撮影の専門家とは【時事ドットコム取材班】(2023年04月01日07時00分)

 映画やドラマの性的シーン撮影に介入し、俳優が望まない演技を強要されないよう調整する専門家「インティマシー・コーディネーター(IC)」。浅田智穂さんは、日本では数少ないICの一人で、NHKドラマ「大奥」など多くの作品に携わってきた第一人者だ。映画界などで性被害の告発が相次ぐ中、注目が集まるICの役割についてインタビューした。(時事ドットコム取材班 太田宇律)  【時事コム取材班】 視聴者「安心して見られる」 NHKが初めてICを導入した「大奥」は、男女の立場が逆転した世界

浪人は死語?変わる大卒の価値◆「全入時代」チャンスか、危機か【時事ドットコム取材班】(2023年01月21日08時30分)

 入学先にこだわらなければ、誰でも合格できるー。受験生が定員の数を下回る「大学全入時代」が訪れようとしている。競争緩和の影響で、浪人生の急激な減少に加え、「大卒の価値」の地殻変動も起きているという。受験生にとっては志望校合格へのチャンスが広がった形だが、かつて「戦争」とも例えられた大学受験の変化は、日本に何をもたらすのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 盛大な入塾式、今は昔 今から40年近くさかのぼる1984年春、名古屋市にある愛知県体育館

暴行で失明危機、再起支えた地元の愛◆地域インフルエンサー「本八幡bot」さん【時事ドットコム取材班】(2023年01月14日08時30分)

 SNSで地元の魅力や情報を発信する「地域インフルエンサー」。千葉県市川市の中心部、本八幡エリアを盛り上げてきた「本八幡bot(もとやわたボット)」さんも、そんなインフルエンサーの1人ですが、botさんは地元で女性を助けたことがきっかけで暴行被害に遭い、視覚障害が残る重傷を負いました。地域の人々に支えられた再生までの道のりをたどります。(時事ドットコム取材班 太田宇律)  【時事コム取材班】 「本八幡愛」高じて 多くの商業施設や行政施設が集まる本八幡エリア。小学生のころか

勇者もネコも?アバターが走る教室◆メタバースが広げた小学生の夢【時事ドットコム取材班】(2022年12月17日08時30分)

 学校へ通いづらい子どもたちの学びの場として、仮想空間「メタバース」を活用した取り組みが始まっている。聴覚過敏に悩む小学5年生の女の子「こっちゃん」も、この夏から「メタバース登校」を始めた一人だ。一体、そこではどんな授業が行われているのか。記者もアバター(分身)の姿になって、仮想空間の教室に飛び込んでみた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 「こっちゃん」の個性 2022年11月下旬、自宅にいるこっちゃんとオンラインで話をすることができた。「今日はな

「園児に刃物」は氷山の一角か◆表に出ない不適切保育【時事ドットコム取材班】(2022年12月09日20時10分)

 保育士が園児に暴力を振るったり、暴言を吐いたりする「不適切な保育」が各地で相次ぎ発覚しています。子どもの安全を守るはずの保育士が加害者となり、周囲もそれを止められなかったのは、なぜなのでしょうか。こうした問題について、現職保育士に聞き取り調査した専門家に話を聞き、背景を取材しました。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 暴行、暴言相次ぎ発覚 静岡県裾野市の私立「さくら保育園」で発覚した虐待事件。1歳児クラスを担当する6人中、3人の女性保育士が行ってい

1枚が家より高い?市場急拡大◆レアカード、偽造や転売も【時事ドットコム取材班】(2022年11月26日08時00分)

 トレーディングカード人気が過熱している。店頭では新作カードを求めて争奪戦が繰り広げられており、国内の市場規模は1年間で1.4倍に成長、1700億円を超えた。中古市場も負けていない。なんと5.8億円で売買されたレアものも存在する。たった1枚のカードに住宅より高値が付く背景には何があるのか。多くの専門店がひしめく東京・秋葉原を訪ねた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 盛り上がる「カードバトル」 「そう来ますか!」「ちょっと長考します」。22年11月1

これで安心?子どもを守るAI続々◆取材で見えた「本当の力」【時事ドットコム取材班】(2022年11月17日08時00分)

 人工知能(AI)を使って子どもの安全を守ろうとする取り組みが次々に始まっている。バスに閉じ込められた園児を検知したり、虐待のリスクを見抜いたり。だが、中には実証実験がうまくいかず、導入が見送られたケースもあるという。取材を進めると、有能だが「万能」ではない、AIの等身大の姿が見えてきた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 園児見守る「AIカメラ」 神奈川県厚木市の「厚木田園幼稚園」は、2歳から5歳まで400人超が通う大規模な認定こども園だ。2022

「時事通信が被災」小説にしたら◆わたしが主人公、記者も書いてみた【時事ドットコム取材班】(2022年10月23日08時20分)

 いつ起きるとも知れない災害を「自分ごと」として感じるため、自分を主人公にした小説を書いてみるー。そんな試みが各地の中学校に広がっている。執筆する上での唯一のルールは「希望を持てるような結末にすること」。被災した自分を物語にすることで、何が見えてくるのか。生徒にならって記者も挑戦してみた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 中学生が想像する「首都直下」 2022年6月。東京湾の埋め立て地にある晴海中学校(東京都中央区)の3年生の教室で、同校初の「防災

「AI安倍晋三」あり?なし?物議醸す先端技術◆ディープフェイク災害デマも【時事ドットコム取材班】(2022年10月19日09時00分)

 人工知能(AI)が生成した画像や動画が、物議を醸す事例が相次いでいる。静岡県の台風被害では、無数の家屋が浸水しているように見える偽の「空撮写真」がツイッターで拡散。銃撃を受け亡くなった安倍晋三元首相の声を合成し、「最後のメッセージ」を語らせた動画も波紋を広げた。問題の背景には、急激な技術の進化に対し、正しく活用するための議論が追いついていない現状がある。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 「マジで悲惨」水害写真の正体 「ドローンで撮影された静岡県の

「中傷がエンタメに…」女性を追い詰めた匿名の第三者◆10月法改正、SNSは変わるのか【時事ドットコム取材班】(2022年10月01日08時30分)

 ネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策が進んでいる。侮辱罪の厳罰化に続き、2022年10月から投稿者情報の開示手続きが簡略化された。いわれのない悪口を書き込まれたり、何気ない投稿で誰かを傷つけてしまったり。こうした法整備で、SNSは「中傷の温床」から脱却できるのか。誰もが被害者にも加害者にもなり得るネットトラブルの最前線を追った。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 匿名の「追及」厚さ10センチ 「SNSでは、匿名で他人を攻撃することが『エンタメ化』してい

AIはイラストレーターの敵?殺到した批判、開発側の思い【時事ドットコム取材班】(2022年09月13日08時00分)

 人工知能(AI)が「画風」を学習し、そっくりなタッチでイラストを描いてくれるー。そんなサービスがSNS上で物議を醸した。あくまで自分のイラストを模倣させることを想定したものだったが、多くのイラストレーターが懸念を表明。サービスは公開翌日に停止に追い込まれた。創作を助けてくれるはずのAIはなぜ敵視されたのか。開発企業を訪ねた。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 画風学習、最短2時間で 問題になったのは、従業員約20人のIT企業が開発した「mimic(

ゲームは悪者?医師になった「ガチプレーヤー」が出した答え【時事ドットコム取材班】(2022年08月20日08時30分)

 かつて1日の大半をゲームに費やし、全国1位プレーヤーになったこともある医師がいる。家庭医療の専門医で、eスポーツドクターとしても活動する阿部智史さん(35)だ。ゲームに没頭しすぎて大学受験に失敗し、高卒フリーターとしてファミレスや倉庫で働いていたころを「闇の時代」と振り返る。「ゲーマー医師」の人生には、どのような転機があったのだろうか。(時事ドットコム編集部 太田宇律)  【時事コム取材班】 出会いは幼稚園 東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)の総合内科で診療に携わ