久々のリモート観劇で空鉄砲にやられた①

「最近忙しくて、TVの録画もNetflixも見れてないな…。
 これじゃ趣味に生きてきた人間なのに趣味がない謎生物になってまう」
とか思っていた矢先、読者さんから
「絶対これハマると思うので見て」
とおすすめされたので、柿喰う客『空鉄砲』の配信を観ました。

http://kaki-kuu-kyaku.com/next/karadeppou

劇は友人がサークルでやっていたので何度か観たことあるし、
劇団☆新感線みたいな作品は好きなので(生は倍率高すぎてチケット取れなかったけど)期待してチケットを購入。
ついでに休みだった母もPCの前で待機。

…観て良かったです。
ずっと家にいて忘れてたけど、私外出で気晴らししてたし、観劇とか美術館行くのが大事な充電時間だったなって。
好きなものを思い出せたので嬉しかった。紹介してくれてありがとう。

柿喰う客の作品に触れたのは今回が初だったので、古参ファンみたいに深いことは書けないけど、簡単に感想書きます。ネタバレ注意。

作品あらすじ

演劇界の風雲児「柿喰う客」の最新作は愛と欲望が支配する密室劇。
男×男×男が激しく火花を散らす本格官能サスペンス。

http://kaki-kuu-kyaku.com/next/karadeppou

BLかぁ、って思われそうだけど、「伝えたいことがあって作品のためにBLの形をとった」印象があったので、BL耐性なくても観られました。
…官能小説苦手でも、拒否反応出ないくらいなら大丈夫そう。
私自身BLはよくわからないけど、最後までジェットコースター乗ってるみたいだった。
(柿の舞台的にはそんなに展開早くないそうですが、テンポがちょうどよかったかなって)

自分を見てもらえないって辛い

かいなさんはミステリー作家の父の弾倉ゆめに、
なつきさんは兄のみゆきさんのことを気に掛ける父に、
それぞれ複雑な思いを持っていて。
なんで目の前にいるのに自分を見てくれないんだろう
そのときのやるせなさといったら。

私は女だし、一人っ子だから?母とは仲がいいほうだし
父とはたまに意見が食い違っても「まぁ男の考えてることはようわからんな」で済ませることもできる。
(実際は父親似なのか仲は良い?し、かなり男性側の気持ちもわかるほうだろうけど、それでも完璧にはわからない)

これに近い感情を抱いたのは、昔習い事の先生に無視されていたころだろうか。
でもこれも、他人だからしょうがないって割り切ることはできる。
(それでもかなりトラウマにはなる)

やはり、自分の一番の理解者であってほしい家族に見てもらえない辛さって私は今まで体験したことがない。
だから今回の作品は
「あんたにはこの気持ちわかるか?」
と胸をえぐっていった。
…私、このセリフ言ったことある。
だけど、その人だって抱えているものがあったはず。
それも知らずに言ってしまった。
私は本当にやさしい人間なのだろうか。私こそただの偽善者じゃないのか。
本当によくないことをした。

最上級の愛ってなんだ

劇中で「一緒に死んで欲しい」ってセリフが何回か出てくるんだけどさ、
母「これって、一緒に生きてほしい、ってことだよね」

…ああ、そうだよな。

もちろん、そりゃ少しでもながく生きていたい。
けど、子供が作れない、みたいな状況で
弾倉ゆめさんにとっての生きる意味が、生きる希望がみゆきさんなのだとしたら、
せめて人生の最期を一緒に終えたい
って。一緒に生きた証として残せるのがそれだけだった。

これを見て、『愛のむきだし』とかの世界観をぼんやり連想したのだけど
この映画の主題歌も「好きな人に心奪われて自分の心にぽっかり穴が開いた」っていう歌なんですよね

(MVじゃなくてあえてLive版を載せるこだわりを無駄に発揮。ゆら帝は好きなのだ)

最上級は、無なのか。それに代わるものはないのか。
でも、ゆめさんとみゆきさんにとっては幸せだった。そう信じたい。

昔、ある映画を見た後に
「私、こういう映画を見て、感想を語り合えるような人と付き合いたいな」
と母に話したことがある。
そのときの光景がフラッシュバックした。
おすすめしてくれた人は、この作品を通じてあの頃の心境を教えてくれたのだろうか。

もう何回か見返すつもりなので、続きは別な記事に書こう。

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