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永代供養墓プロジェクト入門6       永代供養墓の建立業者の選び方を考える

プロジェクトの方向性によって建立業者の選択は変わる 

 永代供養墓を建立するにあたって、どんな業者を選択すればいいのでしょうか。これも、よくお寺から来る相談です。

 普通の墓地に墓石を建立する石材店を選ぶにあたっては、さほど選択肢が多くはありません。

 古くからつき合いのある地元石材店にお願いしているケースが多いと思いますが、新規区画をつくって募集する場合などは、広いエリアで営業活動する石材店を選ぶお寺が多いと思います。

 ところが、永代供養墓を建立する業者に関しては、選択肢にかなり幅があります。もちろん前述の二つ、地元の石材店、広いエリアで営業する石材店が、選択肢の中心になります。ただ、その他の選択肢も少なくありません。

 例えば永代供養墓専門の部署を持つ全国エリアを対象にした業者です。その中には、オーソドックスなセミオーダーの商品を販売する会社、安価な既製品を販売する会社、デザイン性の高い商品を販売する業者など、いろんな種類の業者があります。

 また納骨堂を扱う会社、樹木葬を扱う会社も、選択肢の対象です。

 そしてお寺には、こうした会社から魅力的なダイレクトメールが送られており、弊社に相談に来る時点で、たくさんのパンフレットを持っているというケースがほとんどです。

 どの業者を選択すべきなのかは、住職がどんなプロジェクトを考えているかによって変わってきます。

お寺の考え方を整理することから始めよう

 ただ実際は、住職自身、方向性を明確化できていないケースが多いので、まずは考え方をブラッシュアップしていくところから始めます。そのお寺にあったプロジェクトの概要を固めていくということです。

 そうするとだいたいが、まずは檀家の跡継ぎのいない人に利用していただくことが目的で、できたら、檀家以外の新しい人に少しでも縁を結びたい、というところに落ち着きます。納骨数で行ったら、平均して檀家が100、それ以外で100〜300くらいが多いようです。

 そうしたお寺には、まずは今取引のある石材店に相談することを勧めています。

 おそらく、それぞれ石材商社とのつき合いがあり、その商社が提案できるはずなので、一度、提案してもらって、その上で判断しましょうという話をすることになります。

 デザインや企画力では劣るケースが多いですが、長期のメンテナンスのことなどを考えると、地元の石材店というのは、第一の選択肢となるでしょう。

 既存の取引先があまり好ましくない場合は、専門の業者を選ぶことになりますが、選択基準は基本的に同じです。

 石材店や商社の担当者が、きちんとお寺の考えを聞いた上で提案をしてくれているか、お寺の置かれている状況や規模などにあった提案をしてくれているか等をもとに、判断をすることになります。

 デザインについても、極端にデザイン性の高い提案をしてくる業者も選択肢から外すことになります。デザインは別に斬新である必要はありません。デザインに関しては、普通の日本人が、違和感無く、納骨や礼拝できることが最重要です。それが無かったら、見学に来てもらっても、契約には至らないことが多いからです。デザイン性が高すぎるものは、お寺の自己満足に過ぎません。

自己満足のプロジェクトでなく、利用者の喜ぶプロジェクトを

 オーソドックスな永代供養墓では、人気が出ないと考えているご住職も多いようですが、実際はそうではありません。オーソドックスな永代供養墓で、きちんと募集活動をすれば、ちゃんと結果はついてくるものです。

 むしろ住職の趣味性の強い永代供養墓は、あまり人々から求められないケースがほとんどです。

 しっかりした事業計画をたてているお寺ほど、オーソドックスな業者を選び、オーソドックスな永代供養墓を建立しています。利用者が気持ちよく供養できることを第一に、事業計画をたてていただきたいと思います。

 

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