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事業家集団で多角化経営を目指すメリット

事業家集団環境で起業する第一のメリットは、ひとつの事業を立ち上げて起業した後、そのほかの他事業へ展開するとき、つまり多角化経営への展開が一般と比べるとかなり容易に行える点だと言えます。

多角化経営をおこなっていくとは、つまり、現時点行っている事業と、全く別の別分野別商品別市場での新事業を開始することです。

多角化経営に憧れを持っている経営者も多いのではないでしょうか。
ひとつの事業だけではなく、多くの事業を持つことでポートフォリオを組むことができます。
ポートフォリオを組むことで業種ごとの景気不景気にも対応でき、同時にそれぞれの業界業種の強み弱みを活かすことができます。

そして何より、経営者であれば、時代の変化による現事業の陳腐化が心配になることと思います。
しかし多くの事業を展開することで未来の事業も開拓し続けることができます。



多角化経営する3つのメリット

事業家集団環境で多角化経営を考えているビジネスオーナーが必要な情報を書き出している手のイメージ

多角化経営するメリットを詳細に上げると、以下の3項目あります。

  1. 時代の変化に対応できる

  2. 優秀な人材をむだなく登用できる。

  3. 業務提携・技術提携などによる相乗効果が期待できる


1.時代の変化に対応できる

「1本の矢より3本の矢」
これは安芸の国(現在の広島県)の領主である毛利元就が、勝栄寺(現在の山口県)で3人の息子に宛てて書いた自筆書状で、一致協力して毛利家を末永く盛り立てていくことを諭すためにつかわれた例えですが、多角化経営はまさにこれです。

複数の事業を展開することで、柔軟性が生まれ、時代の変化に対応することもできます。


2.優秀な人材をむだなく登用できる

ひとつの事業で育てた優秀な人材を、その事業が成熟していくにつれて、人事配置をルーティン化していくことも可能になります。
その際、現場で動きたい優秀な人も、役職に就き、マネジメントや後輩育成に回らなければならないこともあるでしょう。
このような場合に、優秀な人材が自分の才能を活かすことができる場所を求めて、転職されてしまってはもったいないと思います。

しかし、新たな発想とスタートアップで事業展開を行い続ける場合、活躍の場所を提供し続けることができます。

またはコンサルや会計、システム、ブランディングなど、どの事業でも共通で発生する業務
などでの優秀な人材も、多事業展開で様々な事業の立ち上げに携わることで、さらに自分を活かしていくことができるのです。

それぞれの事業部が、業種別で人材を採用するのもありですが、共通して採用する仕組みを持つことができれば、さらに合理的ではないでしょうか。


3.業務提携・技術提携などによる相乗効果が期待できる

多角化経営を行うと、事業と事業をつなぐ、新たな事業の発想が出てきます。

例えば、
不動産業を行うなら、引越業も併せて行う。
飲食店を経営するなら、そのアルバイトの派遣をする。

事業同士の横のつながり、それをつないでいくための相乗効果は計り知れません。
それぞれがつながりのある事業なので、同じ会社の仲間が新しい事業をやるとなっても、連携が取りやすいというメリットもあります。

上記の3つが多角化経営を行うメリットだと考えます。


多角化経営するデメリット

事業家集団環境で多角化経営を目指すビジネスオーナーがクリアすべき課題のイメージ

しかし、魅力十分な多角化経営も、普通にやると大変です。

メリットのまさに真逆ですが、以下のような点がデメリットになります。

  • 新しい事業なので、ノウハウがないため軌道に乗るまでにヒト・モノ・カネのリスクがかかり、経営の母体に十分なリソースがないと難しい。

  • 人員の配置を誤ると、事業がうまくいかず人が離れる可能性がある。

  • 多角化経営することで人が足りなくなる場合がある。

  • 多角化経営することで企業の理念や経営方針がばらばらになる可能性がある。

  • 会計が複雑になることで管理がずさんになる場合がある。

などなど。

また、多角化経営は単純な企業買収だけでは決して手に入りません。

サイボウズの青野社長も、若い頃、一つの事業で大きく利益を出し、そのお金でたくさんの新事業を買収したけれども、結局軌道に乗せることができずに会社倒産の危機を体験したというお話をされていたことがあります。

つまり多角化経営には魅力も多いけれど、たくさんのデメリットも多いために実現が難しく、経営者の「あこがれ」であるともいえます。

しかし、事業家集団環境で行う多角化経営へのスタートには、この全てのデメリットがありません。

なぜなら、事業家集団環境の文化に強みがあるからです。


多角化経営における事業家集団環境の3つの強み

事業家集団環境でビジネスオーナーがチームビルディングを通して多角化経営を成功させて握手する手のイメージ

多角化経営を行ううえで、事業家集団環境には3つの強みがあります。

  1. 企業文化が既にある。

  2. 事業家集団環境に集まる人はひとりひとりが経営者

  3. 事業家集団環境そのものが新事業のアイデアや情報、人脈の宝庫


1.企業文化が既にある。

事業家集団環境は、互いに力を合わせて結果を作る文化を持っています。

「卓越した企業文化は戦略に勝る」とは「マネジメント」の著者ピータードラッカー
の言葉ですが、このような文化を持った人たちのコミュニティなので、新たな経営をスタートしたとしても、応援しあい、事業展開の中で発生しがちな困難をも楽しみ、共に成長し、讃えあうことができます。

このような文化と人が、事業を成功まで導いていけるのです。


2.事業家集団環境に集まる人はひとりひとりが経営者

事業家集団環境に所属し事業を展開している人は、経営のノウハウや会計のノウハウを既に知っています。
そしてオーナーシップを持って、事業にあたり、経営者としての視点も従業員としての視点も、両方の視点を兼ね添えた人材だからこそ、経営に失敗するリスクがそもそも軽減されています。


3.事業家集団環境そのものが新事業のアイデアや情報、人脈の宝庫

事業家集団環境に所属する人は、自分のやりたい事業や活動をもって参画します。
なので、いざ新しい事業をやるために募集をすると、多くの人や情報があつまります。
そして、その人脈の幅の広さをそのまま事業に活かすことができます。

「SNS時代では四人介せば世界のだれとでもつながれる」と言われますが、その強く広いつながりをそのまま使うことができるのも、事業家集団環境のメリットです。

このように、上記3つのメリットを持つ事業家集団環境だからこそ、多角化経営は容易であるといえます。

多角化経営を目指されている方の参考になれば幸いです。


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