JAWS-UG 北陸新幹線の参加レポート
4月6日に開催された「JAWS-UG北陸新幹線」に jig.jp としてスポンサーしてきました。イベントの様子をレポートします。
JAWS-UG とはAWS を利用する人たちの集まり(コミュニティ)で、3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸したことを祝して「北陸新幹線」と銘打っての開催となりました。
JAWS-UG 金沢支部の加藤さんの挨拶から始まりました。都会にある◯◯沿線といった支部をヒントに、もっとスケールの大きな新幹線沿線でやってやろうじゃないかという構想から10年近く経って、ようやく実現したイベントだそうです。
Amplify Gen2を拡張してみよう
同じ福井にある株式会社永和システムマネジメントの村上さんの発表です。現在プレビュー中の Amplify Gen2 について、詳しく掘り下げて説明していただきました。
Amplify は主にホスティングの印象だったのですが、ほとんどバックエンドの話題で、知らないことがたくさんでした。とにかく TypeScript で全部書けるようにしようという勢いで、GraphQL のスキーマを TypeScript で定義できるなど、書きやすそうな印象でした。
AWS Application Composerで始める、サーバーレスなデータ基盤構築
クラスメソッド株式会社の笠原さんの発表です。
「こんな構成、良く見かけますよね。これを今から Application Composer で作っていきたいと思います」という感じで、ライブコーディングというか、ライブプロビジョニングという感じのセッションでした。
VS Code の AWS Toolkit を使って Lambda や S3 などのリソースをグラフィカルに連結し、それが SAM の定義ファイルとして出力されていく様子はインパクトがありました。
AWS パートナー企業でテクニカルサポートに従事して2年経ったので思うところをまとめてみた
株式会社サーバーワークスの市野さんの発表です。
弊社でも AWS のサポートに問い合わせることがよくあるのですが、そういったときにどうするとお互いがハッピーに問題を解決していけるかといったお話でした。
「技術的なお問い合わせに関するガイドライン」という資料があるので、これを参考にして一発でいいサポート回答が得られるような聞き方をするといいようです。問い合わせが無事に解決したら★5をつけていこうと思いました。
AWS初心者がAWSと付き合った1年
日本オープンシステムズの岩瀬さんの発表です。
仕事で AWS を使うことになるので勉強して備えたものの、実際に現場に入ると知らないことがでてきてしまい、それでも AWS 楽しいな!といった流れのお話でした。
私が AWS に触り始めた頃は、ようやく Elastic Beanstalk が出てきて便利になった頃だったのですが、最近だといきなりサーバーレスだったり CDK を使ったりとのことで、全然スタートラインが違うんだなと聞いていて思いました。
防災無線再配信サービス AlertQueのご紹介とAWSプラットフォーム
合同会社 LightsSqaure 代表の不破さんの発表です。
風雨が強かったり、反響したり、窓の防音性が高かったりでなかなか聞き取りづらい防災無線を、ブラウザから簡単に聞けるようにしましたというサービス「AlertQue」と、その DR(ディザスタリカバリ)について紹介していただきました。
AWS が出しているホワイトペーパーに「災害とは」という定義があることを初めて知りました。また、アベイラビリティゾーン(AZ)は 100km 以内に設置されており(出典)、地震だと 100km 離れてても結構危ないんじゃないか?など、気付きがありました。
エンターテイメント業界で利用されるAWS
クラスメソッド株式会社の出村さんの発表です。
なかなか耳にする機会のない、ゲーム開発現場やアニメ業界での活用例のお話でした。
ゲーム業界におけるサーバのスケーリングでは、CPUやネットワーク帯域でスケーリングするのではなく、セッション数やユーザ数でスケーリングすることが求められているようでした。
また、アニメを始めとするエンターテイメント業界全体では AWS をレンダリングファームとして利用しているとのことでした。レンダリングファームとは、3DCGなどのレンダリングを行うためのサーバの集合で、従来はそもそもレンダリングファームすらなく手元のPCで行ったり、オンプレのサーバをレンダリングファームとして運用していましたが、最近は AWS Thinkbox Deadline 等を利用して、オンプレサーバーと EC2 等のクラウドを組み合わせてレンダリングファームとして運用しているようでした。
最近ではすずめの戸締りにも AWS が利用されていたようで、クラウドは幅広く利用されているんだと感じました。
学生・先生に贈るAWSを使う方法と楽しみ方
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 コミュニティプログラムマネージャー 沼口さんの発表です。
学生が AWS を使う上で、障壁になりがちなクレジットカードや課金周りの不安を、AWS Academy を利用することで解消できるとのことでした。また、教員側としても教材があらかじめ用意されているため、教える準備が不要で、教員と学生が双方に win-win なサービスのようでした。
自分が学生の頃にこんな案内があったら間違いなく使っていたなと思う内容でした。逆に強い未来のエンジニアを育てるために、これを広めていくのも大事かもしれません。
Bedrock+Titanお手軽社内プロトタイプビルディング
トレノケート株式会社の山下さんの発表です。
Amazon Bedrock と Amazon Titan を利用することで簡単に画像生成AIのbotを作ったとのことでした。Bedrock と Lambda、SNS、SQS、Translate を組み合わせることで入力された文章の言語を自動で解析し、英語へ変換、画像の生成を行ったとのことでした。
実践していく中で、AWS のサービスが内部で別のサービスを利用しているせいで、IAM に付与した権限が足りないということが発生したようで、勉強になるなと感じると共に、IAM の権限を適切に付与するのは大事だよなと再認識しました。
また、開発期間は1日とのことで、AWS をうまく利用すれば比較的簡単にサーバレスアプリケーションが作れるんだと実感しました。
まとめ
今回のイベントは、福井での開催でどれぐらい人が集まるか心配していたのですが、キャンセル待ちが出るほどの応募があり、立ち見まで出そうなぐらいの盛況ぶりでした。内容もいろいろな方向性の発表があり、どれも刺激になるものでした。
福井支部や富山支部どうですか?といった話も出てきているのでこれから盛り上がっていけるといいなと思います。
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