原作殺しの日本映像界に反してフィリピン版ボルテスVは期待の声
日本の映画界、テレビ界は原作殺し
セクシー田中さん問題で日本テレビが発表した報告書の内容が酷いと声が挙がっています。これまで漫画・アニメの実写化によって無残な作品群が産み出されました。セクシー田中さんもその一つだった訳です。
さて昭和の巨大ロボットアニメの名作「超電磁マシーン ボルテスV」(1977年)をご存知でしょうか。本作はフィリピンで熱狂的な人気作品です。そして同国で実写化された「Voltes V:Legacy」が、日本版「ボルテスV レガシー」として10月18日から劇場公開されます。
プロモーション映像をみるとかなりのド迫力で、忠実に再現されています。まあ強いて言うならプリンス・ハイネル役はもうちょっとビジュアル系バンドみたいな俳優はいなかったものか、と。アニメシーンにおけるイケメン敵役の代表格ですからね。
長浜三部作、ロマンスロボの代表
本作は名アニメ監督の故・長浜忠夫氏の「長浜三部作」「長浜ロマンロボシリーズ」の一つです。
超電磁ロボ コン・バトラーV(1976年4月 - 1977年5月)
超電磁マシーン ボルテスV(1977年6月 - 1978年3月)
闘将ダイモス(1978年4月 - 1979年1月)
もちろんいずれも子供の頃は熱中しましたが、私はボルテスが一番好きでした。「ロマンロボ」というのは劇中に血筋、宿命、愛憎劇、政治劇、貴種流離譚があることですね。それから敵役が美男子。これもファン層を拡大することになりました。
それからボルテスVについてはアニソンの大家、堀江美都子氏がソロで主題歌を担当したことも有名ですね。宿命的な世界観を歌で表現しています。
この三部作、いずれも名作です。名作なんだけど、残念ながら再放送になるとツッコミの対象になってしまったのです。
まずはコン・バトラーVが餌食でした。最終回が酷すぎて。コン・バトラーチームは異星人のラスボスを倒したものの敵が爆弾を残していき地球はわずか数秒で爆発ということになります。
すると、空からギリシャ神話のようなオッサンがやってきて「地球のみんなわりい、わりい。爆弾を無力化するからな」って解決してくれたんですよ。侵略してきた異星人社会における平和主義のレジスタンスという設定なんですがあまりに唐突すぎます。
これは子供ながら結構、ガックリでした。
巨大ロボットにおける顔問題
さて三部作の中でも最もお気に入りのボルテスV。角を持つ人種が支配階層というボアザン星で起きる王位継承と階級闘争が物語の背景にあるためストーリーは重厚なんです。
敵将、ハイネルも恐ろしい侵略者であると同時に苦悩と宿命を負い単純な勧善懲悪でもありません。この辺りが大人の鑑賞でも耐えうる作風と評価された点ですね。
しかし私、実は納得ができない点が多々あります。それがロボットの造形。顔面をみてください。
ヒヨコやん。マニアの間ではカラス天狗と言われましたね。
お前、カリメロやん。
巨大ロボットシリーズにおける口問題は論争になることもしばし。口の表現いかんで顔全体に大きく影響します。
ボルテスがヒヨコに対して、全作「コン・バトラーV」は鉄人28号以来の鉄仮面型。しゃくれ型です。
鉄人28号系統は見ようによってはクッキングパパの荒岩一味さん。
まあでもカリメロよりもまだマシってものです。
ダイモスなんて正直ですよ。思いっきりただの口だから。
でも普通に人の口型へ寄せるのはどうかと。
例えばダンガードA。お前、アナゴさんやん。いくら日曜日に放送されていたからって。
ではフィリピン版「VOLTES V LEGACY」はどう口を描いたでしょう。
くちばし感が抑えられており、ヒヨコではありません。勇ましい口です。
まあでも見る角度によってはヒヨコかなあ。
それでもフィリピン版は変形ギミックがよくできていますし、何よりも原作に対するリスペクトを感じます。私も日本での公開を楽しみにしております。
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