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「れいわローテーション」はトロイカ体制の亜種と活動家の雇用対策

泡沫候補が「元参議院議員」になる日


れいわ新選組が参院選比例代表で当選した水道橋博士氏の辞職後、残りの任期を1年ごとに5人が交代する方針を示しました。この方法を山本代表は「れいわローテーション」と命名しています。与党はもちろん野党の一部からも批判があります。

そもそも1年で交代するとは憲法が想定しているはずもなく、どうしようもない泡沫候補でも議員バッチがつけられるという。知見のない活動家が「元参議院議員」の肩書きを得る地獄絵図です。

ローテーションの対象になる面々はおおよそ自力で当選できる候補ではなく、党員の雇用対策のようにも見えます。

山本代表は記者会見で「これが抜け穴だと思うのであればその人達が法律を変える努力をすればいい」と話しています。これが政府答弁ならどれだけバッシングがあることか。

それにしてもれいわローテーション、実に発想が左翼的、社会主義的です。

私は党員の雇用対策と「トロイカ体制」の亜種だと考えます。

旧民主党のトロイカ体制

ちょっと違うな。

トロイカ体制とは旧ソ連でレーニンの死後、スターリン、ジノヴィエフ、カーメネフの3人で形成した指導体制。レフ・トロツキーに対抗するため敷かれました。ジノヴィエフ、カーメネフはやがて粛清されますが。

組織全体を統率できる突出したリーダーが不在の場合、複数のリーダー格による共同運営で安定させようというわけです。

歴史が示す通り共産圏下の組織はナンバー2を許しません。近年で代表的なのは2013年、北朝鮮のナンバー2張成沢元国防委員会副委員長が突如、粛清されたことです。突出したリーダーがいればトップダウンだから意思決定も運営も円滑。ただ独裁に陥るデメリットも。このため共同代表=トロイカ体制は組織維持、専制の防止など効果があります。

国内で印象的なのは旧民主党時代、小沢一郎代表、菅直人、鳩山由紀夫(いずれも代表代行)3氏による体制が「トロイカ体制」と呼ばれたことです。当時、小沢氏の存在感が高いものの、党内は反小沢グループも多数。かといって鳩山、菅両氏では心もとない。この場合、一人でも突出してしまうと不満分子が出るのでトロイカ体制を敷きました。

小沢一郎、菅直人、鳩山由紀夫3氏が荒海に立ち向かう演出のCMは覚えていますか? 小沢代表が中心で菅、鳩山両氏が支えるという格好。いかにもトロイカ体制を想起させます。

いかにも旧民主党らしい。トップが決まれば仮に不満があってもそれに従うのが大人の政党というもの。ところが市民活動家風情だから10ある項目のうち1つでも意思に反すれば「ヤダ、ヤダ、ヤダ」だから収まらない。

その辺りの事情は旧民主党時代に環境大臣、党幹事長を歴任した細野豪志衆議院議員が【ひろゆき&成田悠輔】何度も“死んだ”男が政治家を続ける訳【民主党時代の裏側】で証言しています。

市民団体の「共同代表」もトロイカ体制

脱原発、反核団体、こういった市民団体でもよく「共同代表」という肩書きがあります。これも突出したリーダーがいないから「共同代表」でそれぞれに花を持たせています。これもトロイカ体制。一種の左翼組織の組織防衛術でもあり、有力者に「格」を与えて波風を立たないようにします。

れいわも共同代表がいる。いかにも市民団体風の構造。

その点、れいわ新選組は山本太郎代表のいわば一神教。トロイカ体制は必要ありません。山本代表の独断専行が目立ったとしてもおそらく誰も不満は言わないでしょうね。なぜなら山本代表がいなければれいわ新選組は即座に瓦解するから。

不思議なことにれいわも櫛渕万里、大石あきこ両氏が共同代表。すでに山本太郎という強力な代表がいるのに、共同代表2名の意味が分かりません。単純に市民団体風の花持たせと格与え。櫛渕、大石両氏もそういう筋の出身だし。

党内の候補にも花を持たせたいのでしょう。

そこで「れいわローテーション」によって議員バッチにより「格」を授けるという。それに活動家の雇用対策にもなります。1年有期の期間労働ですが。

私はれいわ新選組が政党というよりも「市民団体」にしか見えず、れいわローテーションが市民団体や野党の「共同代表」に重なって見えました。




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