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ベストセラー作家・百田尚樹氏が結党!「日本保守党」の可能性を探る

百田新党の党名は「日本保守党」

『永遠のゼロ』『海賊と呼ばれた男』などベストセラー作家の百田尚樹さんが「日本保守党」を結党するということでメディア、SNSで話題になっています。

人気も発信力もある百田さんだけに「x」(旧Twitter)でも連日、話題で「百田尚樹」「百田新党」「日本保守党」はトレンドワード入りしています。今のところ党是、綱領、政策といった具体的なプランは判明していません。10月17日に結党イベントがあるそうで、詳細が発表されるそうです。

果たして成功するでしょうか。現状を見ていると危うい点が見られます。

Twitterの数字をアテにしてはいけない

圧巻の〝自民超え〟日本保守党のⅩフォロワー数、国内政党で1位に 開設わずか15日で大躍進 百田尚樹氏「歴史的だ」

自民党のXフォロワー(約25万1700)を抜いて国内政党で1位となったことが話題になりました。まずこのことは声を大にして言いたい! なぜXのフォロワー数を過剰にまで意識するのでしょう。人気や話題の尺度のごくごく小さな一つに過ぎません。

朝日新聞や毎日新聞が「#検察庁法改正法案に抗議します」というハッシュタグをさも世論のように報じました。しかも天下の朝日新聞とあろうものが2020年5月12日朝刊の一面で報じたんですよ。新聞の読者層なんて「ついったー?」程度の反応でしょうね。見苦しくないですか。

ところが自民超えに沸く人も朝日や毎日と同レベルということになります。要するにこれって見せかけの“盛り上がっている感 ”に過ぎません。フォロワー数を誇っている点で危うさを感じます。

ネットの盛り上がりと現実は別

世の中の動きをネットやSNSだけで判断するのではなく現実をよく観察してみましょう。

SNSのバズりなんて「屁」みたいなものです。これはしばし引用しますが2020年の都知事選のこと。私は選挙におけるSNS人気と実勢(集票)を示す好例だと思っています。

2020年都知事選の結果。

当時、山本氏のSNSには膨大な「いいね」が。また山本陣営が街頭演説を行うと開始前からボランティア希望者が列をなしていました。この様子だけをみると明日にでも山本太郎知事誕生だと感じさせます。逆に日本維新の会候補の小野泰輔氏の陣営は閑散としています。小野氏と立ち話できるほどでしたよ。ところがフタを開けてみると4万票差。一見膨大な数字ですが、しかし小野陣営にとってみれば大健闘、逆に山本陣営は敗北感に包まれたことでしょう。

SNSをベースにした熱狂ファンと実勢はまるで違うのです。熱狂ファンと言いましたが通常、ネットでは「限界系」とも言われています。まあ早い話が保守・リベラルを問わず極端な論調に走る層のことですね。実現不可能な極論を皆で「エイエイオー」と声を挙げているのは結構ですが、それは「政党」などではありません。ただの限界サークルのオフ会です。

限界系は新しいものが好き

SNS人気や特定のインフルエンサー人気と「票」は比例しません。なおかつ保守・リベラルにしてもSNS上で声が大きい人、すなわち限界系は新しいものに飢え、常に新しいものを求めるものです。

田母神俊雄さんがかつて起こした「田母神新党」というアクション。あれはどうなりましたか。たちあがれ日本、太陽の党、新しい保守の受け皿だと期待した人は多いと思います。今となっては「そうでしたっけ フフフ」程度でしょうね。

新しい保守の旗手といった人は続々と登場しました。ネット由来のインフルエンサーの草分け的存在として経済評論家の三橋貴明さんが挙げられます。しかし登場当時に三橋さんの心酔した人はどうでしょう。今も同じ思いですか。古谷ツネヒラさんはご希望の人材でしたでしょうか。

おそらく2004年頃からこの繰り返しです。そうです。インフルエンサーは消費物なのです。百田尚樹さんはその他インフルエンサーよりもずば抜けた知名度、存在感がありますから「消費されて終わる」ということはありません。ただし「日本保守党」の支持層が果たして粘り強く応援し続けるのか。そもそも綱領、政策も判明していない現状で支持するというのは「新しいモノ好き」以外の何物でもありません。

しかもおおかた「日本を取り戻す」とか「日本人の誇り」といったスローガンの繰り返し。結局、何を目指しどんなグランドデザインがあるか提示されることもなくフェードアウトしていくものです。

人生いろいろ保守もいろいろ

さてその点、政治家女子48党(旧NHKから国民を守る党)は一見、立花孝志さんの個人人気と思いきや違います。地方取材をしていると実感しますが、想像以上にNHKの受信料に反感を抱く人は多いです。悪ノリしないで「NHKから国民を守る党」の一点突破でいけばより大きな政党になったと想像します。

では日本保守党に何を期待しますか。

おそらく「対中外交」「LGBT施策」「永住外国人の地方参政権反対」「選択的夫婦別姓制度反対」「外国人犯罪・不法入国の取り締り」こんなものを望んでいることでしょう。ここでは「スローガン型保守」と表現しておきます。

お気持ちはよく分かります。自民党でもしアンケートをとった場合、参政権、夫婦別姓など賛否が拮抗すると思われます。ウイングを広げ過ぎて既存の保守層の心情を汲み取れていません。ですが困ったことにスローガン保守が掲げる主張を実現したところで生活が向上するとは限りません。

それでも心意気を示したい! というお気持ちも分かります。しかし過去を思い出してみましょう。新しい運動、新しいインフルエンサーの使い回し。これが心意気でしょうか。

百田新党、日本保守党がどんな主張、綱領、政策を公表するのか分かりません。しかし過去の定則からすると…。





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