公務員のメンタルヘルスの現状とは?!
ストレスフルな社会で、自分らしく生き、自分のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、心身の健康が大切です。私は公務員になり、15年が経とうとしていますが、毎年周囲の職場で病気による休職者が必ず出ています。
以下の表は、仙台市における精神障害者手帳の所持者数と自立支援医療の受給者数です。仙台市の人口が約108万人のため、約1%の人が精神障害者手帳を所持していることがわかります。また、自立支援医療は、精神科に通院している方への医療費助成の制度(医療費が1割負担になる制度)ですが、こちらを受給している人は、約2万にも上ります。そして、年々その数は増加しています。
それでは、公務員を取り巻く状況について、令和2年度に総務省が全国の地方自治体に実施した調査結果を見てみたいと思います。
引用:総務省令和2年度メンタルヘルス対策に係るアンケート調査https://www.soumu.go.jp/main_content/000784249.pdf
この調査は、全国の都道府県、政令指定都市、市町村を含む地方公共団体1,788団体を対象に、実施されました。また対象職員は、首長部局の職員959,811名です。
メンタルヘルス不調による病休者数は?
調査結果によると、調査対象職員のうち21,676人の方が、メンタルヘルス不調によって病休を取得していることが分かりました。また、調査対象職員における病休者の割合は、市区が最も多く、次いで指定都市、町村、都道府県の順となっています。
病休者の背景
性別で見ると、男性:女性は6:4と男性の方が多く、男性が病休になりやすい傾向がみられました。
また、役職別で見ると、係員が最も多く、病休者のうち約7割が係員を占めています。
年齢別では、40代の職員が約27%を占めますが、どの年代も一定割合の病休者がおり、さほど年齢による差はありませんでした。
所属部署別では、保健福祉と生活文化の占める割合が約半数と多く、企画・政策、防災に関する部署は少ない傾向にあることがわかりました。
病休に至った理由
理由の第一位は、「職場の対人関係(上司、同僚、部下)」でした。仕事の困難さよりも、職場の対人関係の方が、メンタルヘルスに影響しています。
病休後の経過・状況
令和2年度中に病休を取得した方が令和3年4月1日時点の状況を調査した結果では、約55%が職場復帰に至っていました。一方、約30%が病休を継続中、そして12.5%が退職に至っていることが分かりました。
また、病休を再度取得する割合は、6割以上に上りました。
メンタルヘルス不調を防ぐ予防の重要性
上記の結果から、多くの自治体でメンタルヘルス不調による病休者が多いこと、年齢に限らずどの年代でも不調に至る可能性があること、保健福祉・生活文化など、より市民と直接携わる機会の多い職員にストレスが大きいこと、それ以上に職場内の対人関係が重要であることが分かりました。
全国の自治体では、ストレスチェックの実施や、相談窓口の設置などの対策が講じられていますが、年々メンタルヘルス不調者が増えている現状です。人材マネジメントの観点からも、より多くの職員がパフォーマンスを発揮し、生き生きと暮らしていくためにもっと実効力の高い予防策を行なっていく必要があります。
次回以降 note 予定記事内容
①メンタルヘルスの基礎知識
②組織内のメンタルコンディショニング
③個人のメンタルコンディショニング
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