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上級ハムの試験問題を理解する試み(9)

平成29(2017)年12月期の問題です。

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コンデンサを直列、並列接続したときに合成容量がどうなるか。いろいろな理解の方法があるとは思いますが、ここでは抵抗とのアナロジーで考えてみます。

長さL,断面積S,電気抵抗率ρの電気抵抗RはR=ρL/Sで表されます。抵抗R1, R2をを直列につなぐのは、長さLが大きくなるのと等価ですので合成抵抗はR1+R2になります。一方、並列につなぐと断面積Sが大きくなるのと等価ですので、 1/(1/R1+1/R2)となります。
同様に、間隔d,断面積S, 誘電率εの静電容量CはC=εS/dで表されます。コンデンサC1,C2を並列につなぐと断面積Sが大きくなるのと等価ですので、合成容量はC1+C2となります。一方、直列につなぐと間隔dが大きくなるのと等価ですので、1/(1/C1+1/C2))となります。

問題は、スイッチSを開閉したときの合成静電容量からCを計算するものです。まず、15[μF]のコンデンサをC1, 8[μF]のコンデンサをC2とします。Sが閉じているとき、CとC2の合成静電容量はC+C2です。これとC1が直列につながっているので、全体の合成静電容量は1/(1/C1+1/(C+C2))と表すことができます。問題文で、これが6[μF]であると与えられていますので、1/(1/15[μF]+1/(C+8[μF]))=6[μF]という式が成立します。これをCについて解くだけです。計算すると、C=2[μF]が得られます。

正解は 1

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