学生時代の挑戦
書棚を整理していたら、学生時代に受けた第2級陸上無線技士の試験問題が出てきました。結果は残念ながら科目合格。有効期限はもう30年以上も前に切れていますし、これを最後に無線従事者の試験を受けていません。問題には書き込みも残っていて、苦戦した跡が伝わってくるようでした。私は応用物理学科に進み、固体物理学で学位を得ることになるのですが、この試験を受けたときにはもちろんそんな将来が来ることを微塵とも想像していませんでした。
応用物理学科でも電子工学の講義は必修だったし、大学院の入試は12問中6問選択だったので、電子工学の問題を解いた記憶もあります。その後は固体物理の論文ばかり読むことになるので電子工学については、実験装置を作るときに思い出す程度でした。そんな自分が今この問題を解いたらどうなるのか、ふと試してみることにしてみました。
今と違って当時は記述式だったので、問題は5問しかありません。制限時間は2時間30分ありますから、1問あたり平均30分かけてもよいということになります。大学の定期試験程度という感じでしょうか。
問題用紙の書き込みから、この問題は正答していたであろうことが読み取れます。FETを電圧制御定電流源として扱い、ab間の複素インピーダンスを求めればよいという方針に従って説いたのでしょう。しかも、問題文にある仮定をうまく使ってゲート電圧の近似式まで得られています。ここまでできていれば、id=jωgmCRvdであることはすぐにわかります。これをvdについて解くと、vd=id/jωgmCRですので、静電容量Cab=gmCRが求められます。
試験を受けるためには札幌まで出なければならないので、すぐにというわけにはいきませんが、そのうちに再挑戦してもいいかなと思う手ごたえでした。 de JM8SMO
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