「賛美の生け贄」②

我が内なる全てのものよ!主をほめたたえよ!詩篇103:1

この15年間口ずさんでいる歌詞があります。寄せ返す海のさざなみのようにその影響力は止まることはありません。ユダヤ人singer song writer Lenard Cohen 作のAnthemー讃歌ーの中の節です。

Ring the bell that still ring
鐘が鳴るならば鳴らし続けよ
Forget your perfect offering
完全な生け贄などありえないのだ
There is a crack in everything
全てのものに割れ目があるじゃないか
That’s how the light get in
その割れ目から光が差し込んでくるのだから

私はハンディキャップ二級の77歳です。多くの人は退職し、活動から引退することを考えるでしょう。イスラエルやトルコ旅行、アメリカ、ヨーロッパ、アジア旅行をやめるでしょう。この歌詞は私の決断を単純にしてくれました。つまり引退など考える必要はないです。鐘が鳴らなくなった時に寿命がくるように、私の身体が語ることができるなら語り続ければいいのです。
その時は身体が教えてくれるでしょう!
さすが77歳も生きると私の身体は傷だらけです。人生もスポーツでも、乱暴好きでしたから多くの傷跡があります。身体だでなく魂も傷だらけです。この歌詞はその傷から光が差し込み、その傷口は感謝の生け贄、すなわち神をほめたたえる表現になります。perfect な人生を送った人はないでしょう。むしろ多くの傷跡があるはずです。その傷跡こそ最高の表現体なのです。

Perfect なささげものを献げることはできませんが、completeなささげものを献げることはできます。旧約時代の動物のささげものはperfect つまり無傷でなければならないし、御子イエスというささげものも完全でなければなりませんでした。
現代は結婚も家庭も家族関係も精神的肉体的健康も政治も経済もキリスト教会を含めて宗教もバラバラで傷だらけです。暗闇が深く侵入しています。無傷人間などいません。無傷などどこにもありません。

野球のイチローはcomplete 選手と言われています。三拍子揃った選手。走攻守に優れているからです。そのイチローですら多くの空振り、多くのエラーをしました。perfect ではなかったけど、しかしcomplete でした。
complete になるためには試合に備えることです。微に入り細に入り徹底して準備することです。少年の頃から引退するまで誰よりも練習したのがイチローです。才能だけではスポーツもアートも音楽も勉強も仕事もできるようにはなりません。私を愛し私のために命を捨ててくださったキリストに賛美を献げるのです。最高の準備をしてcomplete な賛美のいけにえをささげましょう。

平野耕一師(東京ホライズンチャペル)