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イノベーション創出加速のための企業における「ニューロダイバーシティ」導入効果検証調査事業にご協力しました!

弊社設立時からお世話になっているパーソルチャレンジ様からのご紹介で、タイトルにある経済産業省の実証事業にご協力することになり、

去年の秋~冬にかけて弊社社員が関連会社のWebアプリ開発チームに受け入れてもらう事例を対象に調査を行っていただきました!

これまで、客観的にJPTの業務の進め方や顧客の声を見ることが出来ていなかったので、自分たちの立ち位置を再確認する上で非常に良い機会になりましたし、

もしかしたらこの結果を見た他社様がJPTを参考にしてくださるかもしれない、と思っており、このような機会をいただけたことに大変感謝しています。

今日はその効果検証の概要と感じたことをご紹介したいと思います!

調査概要

今年度の調査目的は、これまでの調査で見えてきたニューロダイバース人材※の活躍を引き出すにあたって必要と思われる手法の効果検証、とのことです。

※脳・神経の特性を活かして活躍する人材

ニューロダイバーシティで実現するDX推進より抜粋

手法は下記の5つの段階で分かれており、それぞれの段階で複数の施策が準備されていました。

1.取り組み開始の社内合意
2.体制・計画づくり
3.採用
4.受入れ
5.定着・キャリア開発

日揮グループでは、JPTという特例子会社を設立し、そこで採用・労務管理等を行いながら、関連会社の業務を行う体制としていて、1~3までは仕組みが十分に整っていることから、今回検証としてご協力したのは4(受け入れるのは関連会社のWebアプリケーション開発チーム)と5になりました。

具体的な施策

定期的なコミュニケーション
・毎日の業務遂行状況の確認→日報の作成
・日々の体調や業務上の悩みに関する相談→週次個人面談、業務進捗面談、メンタリング面談
・中期目標設定→受入れからの3ヶ月間の目標設定

ツール活用
・テキストコミュニケーションを併用→基本テキスト(Teams、Discord、カンバンBoard)

成果の取りまとめと発信
・社内または社外に本実証に参加して実践したこと、得られた経験や感想などを発信→本記事

期間

介入前アンケート:10/3~10/10
受け入れ:10/3~現在も継続
受け入れ後アンケート&ヒアリング:1/6
最終アンケート:2/13~17

分析の論点

論点1:方法論はこれまでに発達障害のある方をうけいれたことのない組織でも導入可能なものになっているか?
論点2:方法論を導入することでイノベーション創出、生産性向上につながる組織要件を獲得できるか?

実証を終えて

弊社雑感

今回、受入れをしてもらった部門は、以前から弊社社員を受入れてくださっていた部門でした。なので、部門マネジメントの合意は既にあった状態でしたが、違うチームでも受入れるということで、それなりに新たなチャレンジにもなりましたし、この実証を期に弊社との協力体制をしっかりと整備していくきっかけにもなりました。

具体的には、既に3人を受入れていて、実証では新たに2人、そして年明けからはさらに追加で5人という形で、人員数を拡大することに。それぞれ第1陣、第2陣、第3陣とします。

この拡大は、第1陣がそれぞれに難しさはある中で、受入れ部門のリーダーの方と協同してその障壁を超えたことがまず大きく、その際の課題感を第2陣の受入れリーダーとJPT側にフィードバックしてくれていました。

第2陣で実際に行ったこととしては、上記に示した通りですが、成果につながった大きな要因は、個々人のスキルや志向に合わせて細かく業務依頼を調整してくださったことだと思っています。

カンバンBoardを用いてタスクをチケット化し、進捗を管理する手法なのですが、レベルが高すぎたり、業務が大きすぎたりして、弊社社員が不安を感じた際にはJPTの管理者と顧客(受入れリーダー)で話し合いの場を持ち、業務の変更や社員への説明を実施しました。

一般的には、このように細かく業務を調整することは弊社のような存在で無い限り行われていないと思うのですが、最初こそ大きな労力がかかるものの、個々人の特性やスキルを把握するための手間だと考えると、今後の業務のしやすさ(適材適所)のためには必要な手順でもあったのではないかと思います。

現在では、第1陣、第2陣のことを踏まえ、誰がどんなスキルを持ち、どんなことが得意、苦手、したい、したくないのかをまとめた自己紹介シートを全員分作成し、業務依頼の際に参考にしてもらえるように公開しています。

今後も弊社人材を有効に活用しながら、本業に資するWebアプリケーション開発を進めていっていただきたいと思っています。

ニューダイバース人材の受入れのポイント

最後に、これから受入れを検討されるチームや企業担当者様に向けて、ポイントをまとめたいと思います。

長い目で考える
社員を採用する際に、企業としてはどうしても即戦力を求めてしまいますし、ニューロダイバース人材と聞くと「普通の人とは違った物の考え方で新たな視座・視野をチームにもたらしてくれるはず!」と期待してしまうと思いますが、最初からそんなことができる人はまずいないと考えたほうが良いです。業務に馴染み、人に馴染み、自然体で働けるようになってから徐々にそういう部分が出てくるかもしれないし、出ないかもしれない。誰かがやらないといけない仕事をやってくれたらそれでいい。そういうスタンスでいることが大事だと思います。

受入れチームにとってはメリットしかない状況をつくる
今回にかぎらず、JPTは発注部門から一切お金をいただかずに運営をしています。「障害者を受入れてもらうからゼロで当たり前」というわけではなく、「障害者だから仕事が出来ないのではないか」というなんとなくのイメージを持つ人が多い中で最初のハードルを限りなく下げるために行っています。少なくとも最初の3年間は行政からの補助金などで雇用コストはかなり抑えられますし、3年もあればその人がどれだけ戦力になるのかは受入れチームにとって明らかになるはず。それから貢献に応じてお金をもらうようにすれば良い。とにかく一緒に働いてもらう。これが大事です。

サポート体制をいろんな角度から整備する
今回、JPT社員をサポートする体制として、3つの面を用意しました。1つ目は労務管理・メンタルケアをするJPTマネジメント、2つ目は業務管理をする受入れリーダー、3つ目は第三者的にメンタリングをしてもらう業務委託のフリーランスエンジニア、です。週次面談や日報などのテキストコミュニケーション等で社員が課題感や不安を抱えていないかをチェックしており、なにかあった際には別途面談を設けたりして解決を図ります。ここが一つにまとまってしまうと、なかなか判断が付きづらかったり、動きづらかったりするので、分散しておくことが大事です。

以上3点が、特に弊社で力を入れて整備している体制ですが、これはニューロダイバース人材でなくとも必要な施策であると感じていて、どんな組織にもあって良いと思っています。

参考になれば嬉しいです!


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