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稲城市キャラクター、稲城なしのすけ漫画を7年つづけて

●今日は、東京都稲城市の広報誌で7年続いている4コマ漫画連載で、内容を考えるときに気を付けていることを語りたいと思います。

マンガは稲城市の広報誌に掲載されています。また市のWEBサイトに特設コーナーがあり(画質は低いですが)読むことができます。
https://www.city.inagi.tokyo.jp/kanko/inagi_nasinosuke/nashi4/index.html

 東京都の1つの市である、稲城市の公式マスコットキャラクター「稲城なしのすけ(いなぎなしのすけ)」はガンダムのメカニックデザイナーとして有名な大河原邦男さんと私井上ジェットとでデザインされて誕生しました。

 キャラクター誕生から少しして、私は4コマ漫画を描きたいと思いサンプルを8本を作って、もし可能なら4コマ漫画を描いても良いか? と市に許諾を申し入れました。するとしばらくして「広報いなぎ」に掲載しませんか? という逆に提案をいただいた。「広報いなぎ」は東京都稲城市が月に2回発行している広報誌だ。

 広報誌に掲載されるようなことは考えていなかったので、びっくりした。キャラクターの魅力やおもしろさを見せることと、広報的側面の内容を描きたいと最初から思っていたので、大変ありがたい提案だった。

 こうして2013年に4コマ漫画が稲城市の広報誌に月1(隔号)で掲載されることになった。市の広報誌に4コマが載る例はあまりなく、読売新聞でもニュースとなった。

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 キャラクターが地域にとってどんな役割になるのか、ということは長年キャラクターの仕事をやってきたので考えることは多いです。そのためにどんなマンガの内容にすべきなのか。

●重要なことは2つ。

(1)地域の主役は市井の人たち、市民である。マスコットキャラクターは目立ったとしても、最終的には主役は市民だ。だからマンガの内容は、地域や、地域に暮らす人の魅力に気づくきっかけを、キャラクターを通して紹介することをメインにする必要がある。

(2)もう一つは、ネガティブなイメージを創出させないように意識すること。マンガの中で自虐や、激しいツッコミ、不意に何かをディスっていることにならないようできるだけ気を付ける。

 この2つ。結果的に漫画の内容は、激しいツッコミ控え目で褒めあう、平和な内容が中心になる。でも、それが良い。温厚な社会になってほしいというプロパガンダなのかもしれないが、きっとそれが良いのです。
実際にどんな漫画があるでしょう。傑作選的にご紹介。

●個人的に気に入っている4コマをいくつか紹介。
第24話「どうして稲城はきれいなの?」
第34話「メカニカルシティのひみつ」
第40話 いなちちプレゼンツ 攻略いなぎ城の巻
第63話 梨の品評会
第71話 魔法のランプ

●稲城市は、「梨」「ぶどう」などのフルーツが特産なネタ
第26話「梨は切って食べよう」
第27話「おいしいのはどっち?」 
第49話 おしよせる梨とブドウのきせつ

●許諾を得てコラボをした内容
第12話「ヴェルディ君vs.なしのすけ」
第16話「はじめまして♪大空町のそらっきー」
第51話 Iのまちいなぎ市民祭 佐藤康光九段がやってきた!

 と、このような感じです。日本のギャグ文化は、自虐や、キャラクター同士の優劣、個性の違いを見せることで笑いを取る傾向もありますが、なしのすけ4コマでは、差別にならないようよく見直して注意しています。

そのほかにも気を付けていることは、以下3つ。

(1)特定の物事のプロパガンダ(贔屓)になりすぎないようにすること。
(2)たまには羽目を外す内容にすること。
(3)稲城市内にないモノの表現には気を付けること。

 公序良俗に反しない内容にすることはもちろんだが、こういったことにも気を付けている。とくに(3)については、例えば稲城市には遊園地や山はあります。しかし映画館や、海はありません。映画館や海のネタは描きにくいのです。

 こうした制限は自分で意識していますが、ここまでの制限をかけるとネタ出しは大変ですが7年、なかなか良い感じの内容を続けられているかと思いました。

 このような長い年月の掲載の機会をいただいていることに感謝いたします。また広報誌作成関係者は、協力してくださった皆様、見てくださった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございます。

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