Gigantic Eel Sparking Neo

なんとなく今年の夏は生まれて初めて沖縄に行きたいと考えていたのだが、なんとなく考えているだけでは沖縄には一生足を踏み入れずに恐らく死んでしまうことがつい最近判明した。「沖縄に行きたいという強い気持ち」を携えるのは勿論のこと、なおかつシーズンに沖縄に移動しめしを喰らい宿に泊まり帰ってくるだけの財力も時間も、持ち合わせていなかった。目下、自分の置かれている零細生活の上でそれらを捻出するには、日々の支出、つまり回転寿司屋で一皿に一貫しか載っていない車海老のにぎりを食べたり、美容院で勧められるがままに炭酸のシャンプーで頭皮を揉まれてプラス500円を支払ったりする必要があって、少しの自戒や自粛の念さえあれば抑えられたであろうこれらの余計な出費を抑えこつこつと貯蓄し、それを前の年の暮れごろから継続してようやく成し遂げられるか否かという有様であり、ちょいちょい小市民の、こざかしい、手の届く範囲内での放埒な振る舞いにより自分で自分の頚椎を徐々に圧迫し、そのまま死に至るのである。

そんなこんなで今年も沖縄には行けそうもない。そもそも自分は沖縄に赴けるような、陽の差す方角へ足を運べるような性質の人間ではないではないかと、昨年そして一昨年同様に心の中でくすぶる熾火にバケツで水をかけた。

土曜日、珍しく午前中に目が覚めた。前日多少飲みすぎて右下腹部のあたりがどんよりと重い。クーラーは睡眠中に電源の切れる設定になっており喉も乾いている。水分を補給しようと思い冷蔵庫を開けると飲みさしの麦焼酎のビンだけが入っている。ミネラルの類は切らしてしまっているらしい。朝起き抜けに麦焼酎をストレートで煽りもう一度眠るほどには人間のラインを割っていないので、まあ少し、いや結構たるいのだが、右と左のお尻を掻いたあと、水を買いに表に出ることにした。

東京といっても、下町の辺りは虫が湧き多少治安の悪い代わりにわりあい家賃や物価が安い。アパートを出てすぐの側溝で竜巻のように渦を作っている蚊柱を鼻から吸い込みかけて爆発音を立てながらくしゃみをする。大きな音を立ててくしゃみをするじじいには成りたくなかった。恥じらいを感ずる部分が磨り減っていくのは人間として終焉が刻一刻と近づいている証拠であると学生の頃は考えていたけれども、だんだんと自分の中から奥ゆかしさが消えていく。その事実に対しての抵抗も虚しくなっていく。30を過ぎたら徐々に笑われることへの諦めがつくようになるから「安心」したまえよ、と先輩から言われたときにそんなはずがあってたまるかと思ったけれども、いざ自分がそうなってしまった現在、何かの明確なきっかけの為に性格が形成せられた訳ではない。生きている、今ここに在る当の生活自体への単なる飽きであって、むろん諦観や虚無主義と呼べる、そうであろうという能動的・自発的な心の動きでもない。万年床にあぐらをかいている時、己を蘚苔類か或いは珊瑚礁のような最低限のエネルギーの循環で存在している生き物かと錯覚する時がある。然しながら、コケは酸素を吐き出して地球環境の保全に役立っているし、珊瑚礁は見た目も鮮やかで松田聖子の歌にだってなっている。それにひきかえてこのわたくしは二酸化炭素を放出するばかりでなくなんと、屁までこく。松田聖子の歌にもまだ、取り上げられていない。

週末には誰にも会う予定がないから今週洗濯をしなくともストックで衣類のコーディネートはやりくり出来そうだな、と考えながらコンビニエンスストアまで歩いた。もうこの時間になると近所の店はとっくに営業を始めていた。

魚屋の前を通り過ぎようとしたその時、「大隅 うなぎ蒲焼 980円」という殴り書きと、「格安」の蛍光色ポップが目に留まった。うなぎなんてもうしばらく食べていない。しかも、幼少時代の食卓に並んだ泥の味がする中国産や、先輩に連れて行かれた池袋のうな丼チェーン店で、カードダスのようなうなぎが載せられた貧相なものばかりしか食べたことがないのだった。

うなぎが昔ほど獲れなくなって久しいらしい。完全養殖も難しいと聞く。しばらく前から毎年の夏、テレビを点けると牛丼屋でうなぎのメニューを提供が始まった旨伝える宣伝広告が目につく。昔から、あれを好きこのんで食う人間の存在が信じられなかった。自分もそうだが、牛丼屋で飯を食う時、人間はその瞬間の「食」になるべくして頭を使いたくないタイプだと決めつけており、腹さえ満たされれば良い。おのずと負担される費用も軽く済ませる傾向があるのじゃないか。うなぎを食うのに、牛丼チェーンで中途半端に1,000円前後を支払うようなちぐはぐな人間は周囲には居なかった。この世の経済を回す財力を持ち合わせながら時間に追われる連中、経団連の人?経団連の人が会議の昼休憩とかでうな牛食ってるの?すぐ食えるから時間も取らないし、午後の会議に集中できるし。そんな風に思っていた。

ただややもすれば、牛丼にプラスワンコインすれば取り敢えずはうなぎが食えるのだ。よくよく考えてみると、自分にも、身を少しずつ切り崩す些細な贅沢、は覚えがあるわけで、1貫300円の車海老がまず思い当たるのだった。給料日やギャンブルに買った日の晩飯などで気が大きくなって払う数百円程度の贅沢が生活を蝕んでいる。小市民の背伸びを搾取する阿漕な商売だ。許すまじ、うな牛。俺はにわかに腹を立てたのだった。

末端の牛丼チェーン店にまで供給されるようになる程だから、うなぎの頭数が少なくなるのも自然の理と言わざるを得ない。農林水産省は牛丼チェーン店へのうなぎ提供を即刻停止にすべきである。うなぎらも苦しんでいるし、俺たちも苦しんでいるのだ。漁師や老舗のうなぎ屋の皆様方に至りましては、気の毒かもしれないが今からワードやエクセルの勉強に勤しんでもらい、事務職の求人サイトに登録してほしい。

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『巨大うなぎ大量発生 交通機関に大打撃』

ある月曜日の晴れてはいない朝、各メディアには目を疑う見出しが打たれていた。川崎市川崎区と大田区羽田の県境に流れる河口から、体長15~20メートル程の大きさを誇る巨大なうなぎが大量に川を逆流し始め、工業排水口より闖入、先人の努力によって張り巡らされた下水網を伝い、驚くべき生命力と凶暴性を秘めたまま首都圏ネットワークの津々浦々にまでぬめりを帯びたまま侵入し、突如として人間の生活を脅かし始めたのである。道路の脇に流れるどぶからまるでイルカショーのように勢いよく飛び出てきたうなぎに攫われる、あるいは呑み込まれる人間が続出した。

バラエティ番組でうなぎを掴まえるのに苦労するタレント、の光景は一度は目にしたことがあるだろう。勇猛果敢に捕獲を挑んだところで素人にはどうしようもできない。言わずもがな、厄介なのは強力なぬめりである。包丁や金属バットのようないかなる物理的ダメージも、よほど垂直に接地しない限りは受け流してしまうのだ。しかも、通常のうなぎよりも皮膚を覆うゼラチン質部分が分厚く、衝撃を跳ね返してしまうのである。

多少の間であれば陸上も移動できた。さほど幅の広くない橋などはぬめりの勢いを利用して横断できてしまえたのである。しかもそのぬめりの所為で道路は通行困難となり、車両は徐行運転をせねばならず、歩行者も雨など降っていないというのに登山靴のような悪路用の下足を余儀なくされた。

各教育機関は一斉に休校措置を採った。阿呆な大学生が休講の連絡メールに欣喜雀躍し、永福町にあるアパートから南にチャリを漕いでいる途中の神田川をまたぐ橋の上で、ぬめったアスファルトでバランスを崩し側頭部を強打して死んだ。SNS網の発達も、「巨大うなぎの氾濫」という非日常性に乗せられ、魅惑されてしまう人間の増殖に拍車をかけた。危険だというのにわざわざ水辺の近くまで様子を伺いに出かけ、帰らぬ人となるのはぎりぎりの状況を捉えて拡散してやろうと試みた「火事場の人気者」狙いの後先考えない若者が多かったのだった。台風や水害で田んぼの様子が心配になってこの世を去る老人たちを鼻で笑っていた人間ほど、ある種の乱痴気を錯覚し、街に繰り出してあっけなくすっ転ぶか尾びれでどつかれて死んでいった。

社会人、特に毎朝毎晩電車を利用して通勤している層も、もろに影響を受けた。地震、台風、大雪等、ありとあらゆる非日常のたびに迷惑を被ることに慣らされていた彼らは、巨大うなぎの出現にも「ああ、またか」といった表情を浮かべるのだった。東京が巨大うなぎの出現で被害を受けた事例はまだ存在しないはずなのに。「観測史上類を見ない」「平年では異例の」などの不安を煽るフレーズにこそ飽き飽きしていた。

駅員の言われるがまま、改札外に出て、一斉に勤め先や家族への連絡を取り始めた。何時頃には戻れる、或いは向かえそうだとの旨伺いを立てた。しかし、どうやらちょっとのそっとのことでは事態は回復しなさそうだ、との雰囲気・空気を察知すると、わらわらとコンビニエンスストアやカフェチェーン店に殺到した。水分や食料の確保、所持する携帯電話ないしはモバイルPCといった電子機器のバッテリーの不安などから、当面必要になりそうなアイテムの入手に躍起になった。たまたま夜勤からのロスタイムでコンビニアルバイトに従事していた女性中国人留学生は、続々入店してくる集団就労人の群れを片言の日本語で一喝、事態の収束に一役貢献した。現場に遭遇したあるサラリーマンはその様子をSNSで報告、次々拡散される称賛の声に気をよくし、更新するたびに反応のあるスマートフォンを片手ににやつきながら徒歩で自宅付近まで辿り着くといきなり側溝から襲いかかったうなぎに足元を掬われ重症を負った。

緊急事態に政府もてんやわんやとなり、対策としてまず各主要な水源に化学薬品を散布しうなぎを撃退する、という計画が掲げられたのであるが、そんなことをしては生活自体に影響が出る。とりわけ水道は人間が生きていく上で最も欠かせないインフラじゃないか、お前は何を考えているんだと意見を提出した対策委員会のうちの1人が矢鱈滅鱈に糾弾を受けて失脚した。この期に及んで足を引っ張り合う政府の様子に、東京と遠く離れた地域に暮らす人々は「うっせ。Amazonつけよ。」と各々海外ドラマの続きを観たり、陽気な音楽をかけながら踊ったりした。

原因はというと、仮説によれば、乱獲による影響で身を潜めたうなぎの稚魚が身を護ろうと一箇所に固まり、より体の大きな個体同士で交配を重ね、数世代を経たのちに出現した姿であるとか、京浜工業地帯から流出せられた化学薬品による影響であるとか、「美しすぎる女子高生」が衆目を集めすぎた苦痛から自殺、その怨念及び自意識が一匹のうなぎに転移して肥大化、連鎖反応的に別の個体も準じたのではないかとか様々取り沙汰されたが、それも結局は明確な答えが出ず終いだった。

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俺はお菓子を食べていた。バイトも入れていなかったし、今のところ、自分の生活におよぼす関係はなさそうで、最悪1週間ぐらいは騒ぎが続くかもしれぬが、食料もそこそこある、土曜日に水を買い込んでいてよかった。寝てれば腹も減らないし、世間が落ち着くまでじっとしていればいいだろうとタカをくくっていたのである。

テレビは災害情報に終始していて退屈だが、外に出ても電車は止まっているし、手持ち無沙汰に時間を過ごしていると、玄関のほうから聞いたこともないような轟音が聞こえた。何かが玄関に激突したようだ。しかも1度ではなく、幾度にもわたって繰り返されるその音と衝撃によってボロアパートのドアは見るからに歪み、蝶番が緩んでいるのが見える。チェーンは外していたが、ここで下手に音のする方へ動くのは藪蛇になる気がした。タタキにじわじわと、ぬめりが浸食していくのが見えた。

地震、台風、大雪といったありとあらゆる天災が、いやこの場合は天災と呼んで然るべきかわからないけれども、とにかくこの自分が当事者となり、猶且つあっという間に命を左右する窮地に陥る羽目になるなんて。月数千円を惜しんで1Fに入居するのじゃなかった。沖縄に行けないくらいで後悔していた昔の自分の呑気さ、危機感のなさが、憎くて仕方がない。お前は毎月の浪費を抑えて2F以上に入居しておれば。頭が悪いのか。ただ、不幸中の幸いとも言うべきか、窓を開けて駆け出せば最低限外へは逃げられる。尻もちをついたまま後ずさってスマートフォンだけひっつかみ、1、2の3で振り返り飛び出そうとした瞬間、ちゃぶ台の角に向う脛をしたたかに、しかし確実に打ち据えた。前方向へともんどりを打ちつつも窓を破り、全身血みどろのまま立ち上がりかけたところに、急に視界がビニールのように透明な膜で覆われた。

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目を覚ますと、体中が鉛のように重い。関節にシャフトでも入ったように、意図した方向に曲がらない、動かせない。電流のような痛みが血管を通じて走り抜ける。

朧気な視界は、最後の瞬間目の当たりにした光景に似ていた。冷ややかなぬめりに覆われたかと思ったら意識がそこで途絶えたのだった。遠くで誰かが俺を呼ぶ声がする。朽ち果てたかのように言うことを利かない首を横に向けると、細いチューブが身体のいたるところを繋いでいるらしい。医療ドラマで観たことのある、心電図と思わしき機械のパネルに視線が止まった。緑色に光る不気味な直線が水平に走り、微動だにしない。

「なにこれ?」

「目が覚めたかい」

声をかけてきたのは年端もいかない青年だった。俺より10歳は若そうである。

「ため口をきくなよ。おまえ。いくつ?」

「ぼくのお蔭で君は助かっているんだよ。」

「そうなの?」

「そうだよ。輸血とか大変だったんだから。まずはお礼じゃないの。」

「そんなん知らないじゃん。でもありがとうね。あぶねー。死ぬとこだったよ。」

「いや死んでるの。君は。」

「なにが。」

「君が。」

「死んでるの?おれ?」

「うん。心電図見た?普通そんなんなんないじゃん。」

「たしかに。壊れてんのかと思った。」

「理由知りたい?」

「いやまだ信じれてないけどね。で、なんで?」

青年は白衣のポケットから、眠気覚ましのタブレットを取り出し、何粒かポリポリとかじった。

「うなぎで大変でしょう。いま。東京。壊滅状態なの。病院も警察も手が回ってないんだ。」

「まじで。そんなにか。いやおれも危なかったんだよ。聞きたい?」

「いいよ。知ってるから。そんな人たくさんいるし。珍しくもないよ。」

「そんな言い方ないじゃん。」

「うん、ごめんね。で、話を進めるんだけど。これ、どうにかしないといけないんだよ。国からしたら。ほっぽらかして、とんずらこくわけにもいかないでしょ、偉い人が。まあ、内心そうしたいのは山々だろうけど、高跳びした先だけじゃなくて世界中で非難轟々でしょ。まともに住めないよ。だったらまあ、なんとか緊急事態を打破してだね、英雄になる選択をしたって訳だね。ここまでいい?」

「うん。」

「で、どうしたかというと選ばれたのが君なわけ。具体的に言うと、君ならびに君以下の人間だね。」

「は?」

「いい?マイナンバー制度って始まったでしょ。だいぶ昔になるけれど。」

「うん。あんまり気にしたことはないけれども。」

「あれでほとんど全て、個人の素行っていうのは監視されてるの。普段のマナーとか立ち振舞ってやつだね。酔っ払って駅員に起こされたとか、年下の女性店員を「お嬢ちゃん」と呼ぶとか、映画館で鼻をかむとか。そういう周りの目を厭わない行為を重ねると、徐々にマイナンバーが減っていきます。」

「減る?」

「減る。それがはじめに割り振られた数字から一定数以上減った人間を抽出して、命を失った場合。君のように改造を受けます。」

「なんだよそれ。おれは確かにうだつは上がらないしもう周囲の目とかどうでもよくなっちゃっている側面はあるけれども、警察のご厄介になっているわけじゃないし、もっと悪いやつなんかいくらでもいるだろ。そいつらを使えよ。」

「いや、そういう人らは生き返らせないの。怖いしリスク高いでしょ。こっちの言う事聞かないかもしれないし。じゃなくて、君みたいに強く出れば従うタイプを選ぶわけ。」

「えーっ、コケにしないでよ。落ち込むじゃん。そんならおれなんかより徳が高くて立派な人たちを生き返らせてあげなさいよ。ぜんぜん譲るよ。」

「うーん、やっぱりこれは命を扱う手術だから。倫理とか道徳とかでね。グレーな側面もあるんだよ。ちょっとクローン技術の問題になると、いろいろな団体からクレームが来る。おおっぴらに出来ないんだよ。その点、君という存在はかなり都合が良くて。居なくなってもあんまり影響がないうえに、この状況を打破する上で苦肉の策を演出するのでかなりやりやすいんだよね。」

「居なくなっていい人間なんか居てたまるか。」

「じゃあ聞くけど、今週人と会話をした?」

「うーん、覚えてない。はいとかいいえじゃなくて、記憶にない。」

「ね?」

「うん……。」

「でも落ち込む必要なんかないよ。これから大英雄になる可能性が芽生えたんだ。右手に意識を集中してみて。あの心電図を、もっと激しく動かすイメージで。」

「よくわからん。こう?」

言われるがままに意識を集中させて、あの直線を波打たせようと試みた。瞬く間に線は小刻みにくねり出し、音ゲーの隠し曲のようなテンポで右から左へと流れた。何故だかはわからないけれども、初めて自分が能動的に、生きようとせんと心臓を、鼓のように鳴らせたように感じた。

「すごい。ここまで順応するなんて。やっぱり君は適任中の適任だったみたいだ。だって他の人らはもっと苦戦しているもの。」

「嬉しい。え?嬉しいな。なんかこれもらえるの?治験的なやつじゃないの。相応の報酬がほしいのだけど。いい?」

「うーん。君の活躍次第ってとこだね。いい?この力は、もともと人体に微弱に流れていた電流を人工的に増幅させたものなんだよ。心臓にモーターを積んで馬力を増しているんだ。相手はうなぎ。サイズは確かに特異だけれど、魚介類であることには変わりないよね。連中は電気に弱いんだ。これは保証済み。でも、発電所も復旧に必死で、生活に必要な電力を供給するので精一杯。瞬間的に膨大な出力が出せないんだよ。そこで君の出番だ。君の右腕の筋肉は、純金のコイルでぐるぐるに巻かれている。心臓に繋いだモーターと連動させ回転させることで、莫大な電力エネルギーを発せられる”電磁人間”に変身を遂げたんだ。その力で、人類を、救ってほしい。」

「オッケー。」

向こう何十年の人生を凝縮して電撃に変えた男がベッドから起き上がり、パジャマを脱いだ。

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えー、「Gigantic Eel Sparking Neo」 という噺でございました。

~ダフトパンクのデジタルラブが流れる~

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