ズッコケ三人組をだいぶ読んだ。小学生の頃、自由参加と謳われていた運動会の「よさこい」披露の練習に、自由なんだったら面倒くさいし涼しい部屋に居たいし、友人の金子君と図書室でズッコケ三人組を読んでいたところ、貴様らは何故「よさこい」の練習に参加しないのか、お前らだけが居ないことで輪を乱している。死にたまえ。と叱責を受けた。自由とは何かね。

そのような最中で読んだ『ズッコケ文化祭事件』の児童文学作家と小学校教諭の「子ども」の取り扱いに関する激論のシーンなんかは未だに覚えている。那須正幹先生の中にある人格同士の戦いのような鬼気迫る筆致だった。

昔、生意気にも高円寺に住んでいた。朝4時にマクドナルドで本を読み、2時間ほど経つと頭上から天井が徐々に迫ってくる仕組みになっており退店、北口の商店街の路地を入ったところにあったモスバーガーでまた2時間を潰していた。

そのあと家に帰って、業務スーパーで買った9円のうどんをチンし、水道水ですすぎ、叫び声を上げながらめんつゆと納豆で混ぜて麺をズバズバと啜り、灼熱のロフトできちんと仰向けに眠るルーチンワークを繰り返していた。

中央線のガード下に都丸書店という古本屋があって、コサキン(小堺一機と関根勤のコンビ名)のラジオの文字起こしから、皇族の写真集まで扱っていて頼り甲斐がありよく通っていた。

自動車免許の合宿で2週間ほどビジネスホテルに軟禁されていたのだが、当然誰とも口を利かず、暇にかまけてブックオフで本を購入した。格好をつけて、ジョイスの『ダブリン市民』を、読んだらあ!と広げたところ文章が2段組みになっており、文字の量が多く、目がチカチカする、大変だな、と一回リュックサックにしまい、やはりこっちか、と一緒に購入した阪神タイガース豆知識集を読み耽った。藤田平の逸話が多く記されていた。それにしても名前が「平(たいら)」て面白いな〜。と思いながら、教習所でもらえる食事券で、吉野家で牛の偽物のカルビをぶん殴ったみたいな定食を晩飯にする贅沢をしていた。

サポートしていただけますと、ありがたいですし、嬉しいです。