追悼。

 夏のせいでもお酒のせいでもない。季節、感情、そんなことに左右されずに人は変わっていく。

 人を人たらしめる、人格というべきものはただの思考パターンだと。

知識と経験、思考と反射、複雑であるものが導きだす答えは単純で、いつまでも心にとどめておきたいものだって、もうその時の自分ではない。

 淡い記憶のはずが強固に捕らえる。記憶の中の自分が今の自分を。

見えないところで周りも自分も変化している。いつまでも子供じゃない。

自分がみている世界なんて誰かにとっては見えないもので、新しいことは、更なる変化は見えないところでこそ起きている。

 中心と円周、主観と客観、単純な構図が造り上げるものは複雑で、いつまでもその場にとどまりたいけれど、もうとどまってはいられない。

 脆く崩れ去るようで柔軟に組み合わさる。残骸の中で残った自分を。

 

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