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風に舞う。

西高東低の冬型の気圧配置になった。

日本海側育ちの私としては、冬にこんなに晴れるということが未だに慣れず、そしてありがたくもある。

日本海側の冬はいつも雨か雪で、傘を持たずに出かけない日がなかったからかもしれない。

だからこそ太平洋側の(冬の)太陽のありがたさを毎日感じている。乾燥は厳しいけど!

しかし毎日お天気の日が続いていたのに、先日ものすごい雨が降った。前日から強風だったのでもう少し気をつけておけばよかった。

というのも私は先日雨よけのために購入したパーカーが軽すぎて、その前日の強風で飛ばされてしまったのだ。

そのパーカーはなんと半額千円で購入したものだった。レジのお姉さんにも「いい買い物をされましたね!」と言われ、私も実際にそう思っていた。風を通さず、フードもある。ちょっとスーパーに行くのに非常に便利だったパーカー。

そのパーカーがちょっと油断していたら飛ばされていた!

実は今5階以上の上階に住んでいるため、これまでも風で洗濯物が飛ばされたことがある。

まだ春頃だったか、ある風の強い日にズボンがハンガーごと飛ばされてしまったのだ。しかも隣のアパートの屋上に(部屋から見下ろせる場所)。私のズボンが力なく横たわっているのを発見した時は、「まさか!」と思ったが、どう見たってあんなところにハンガーごとズボンを置く人はいない。

「どうしよ〜・・・別にそのままでもいいんだけどさ、でもやっぱり・・・」と思って管理会社に電話したら、隣のアパートの管理会社の方に連絡してくれ届けてくださった。「これでしょ?」と渡されたズボンは土まみれで汚れていたものの、無事に帰ってきた。それ以来外に干す時は、ハンガーも洗濯バサミで留めている。

ちなみにしばらく経って気づいたのが、その際にお気に入りだったボーダーTシャツも一緒に飛ばされていたこと。「そういえば最近あれ着てないな」と思っていたら紛失していた。多分あの日、別方向へ飛んでいったと思われる。ズボンやパーカーに比べてすごく高かったので、今でも残念でならない・・・。

勝手に飛んでいって、害のないところに着地してくれればいいのだけど、別の建物に飛んでいったり、電柱に飛んでいったりしたらご迷惑なのでそれがいつも心配だ。

もう20年以上前になるが、私は勤め先の女子寮に住んでいた。忙しすぎて今でも「どうやって生きてたんだろう」と思うことがある。ある時洗濯物を取り込もうとしたところ、下着が一枚ないことに気がついた。

ない!

と思い、しゃがみこんで隣の部屋のベランダを覗いてみたらあった。

うら若き乙女のパンティーが笑。

お隣の敷地内に下着を放置しておくなど、これほど失礼なことはない。かと言って棒を差し込んで引っ張ることもできず(それこそ不法侵入)、私はそっとお手紙を投函した。

「隣に住むものです。実は下着がそちらのベランダに飛んでいってしまいました。大変申し訳ありませんが、ポストにでも入れておいてください」

お隣の方には最後までお目にかかったことがなかったものの、お忙しい中綺麗な紙袋に私のパンティーをそっと入れ、ドアノブにかけておいてくれた。きっと優しい人だったに違いない。

しかし1度ならまだ許せるが、私はこれをもう一度やってしまう。

下を覗き込んだらやっぱりあったのだ。私のパンティーが笑。どうせなら反対側に飛んでいってくれればよかった。そうすればまた手紙で依頼できたのに・・・。

同じ方にもう一度頼むのは申し訳なく、その時は諦めた。そして、パンティーは紙袋に入って返ってくることもなかった。多分捨てられたのだろう・・・。そりゃ嫌ですよ、いくら洗濯済みとはいえ人のパンティーを持つのは。

風でズボンが飛んでいった時、このパンティーの出来事を思い出した。

このアパートでもやらかすかもしれん・・・。

そう思い、下着は絶対外に干さないようにしている。

気まぐれな風という自然現象がすることなので文句は言えないものの、ちょっと自分が気をつければ防げることがある。ただ、私は洗濯物に限らずいつもこんな感じだ。そして何度か失敗を繰り返してようやく気がつくのである。

「過去から学ばない」ことを。




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