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2023/05/29 Tour 2023 “Ninth Peel” 参戦

 ファン歴8年目の私、遂にUNISON SQUARE GARDENのライブに行った。8年って結構すごい。物心ついてからの半分くらいは一緒に生きてるんだ。シュガーソングとビターステップを当時の友達に勧められて以来だから、もうそんなに経っちゃったのか。

 5/20の和歌山公演と5/28の横浜公演に行ってきた。両日とも最高で、はしゃぎまくってたら終わってた。最高が複数存在したって良いじゃないか。ちなみにもう腕は上がらない。持てる感情を8年の愛とともに全部出した。

和歌山散策

 横浜公演ではライブまで特に何も起きなかったので、和歌山公演でのエピソード。

 和歌山公園は物販に参加するため、早めに会場に向かった。その行きの電車でのこと。向かい合わせに座ったおじさんが、おもむろにラップでぐるぐるになった物体を取り出した。もうこの時点で不審物として通報しておけばよかったと後悔してるんだけど、まだ静観。不審物の正体は弁当箱で、なんとおじさんはラップを扉の前(車内)に捨てて当然のように食べ始めた。新幹線とかならわかるけど普通の在来線なので、ちょっと非常識では?と感じた。ただライブの高揚からか恐怖はなくて、可笑しくて笑いそうだった。
 吹き出す前に席を移動すると、おじさんは食べ終えた弁当箱をラップと同じように捨てた。さすがに非常識を超えて迷惑だなぁと思っていたら、中国人観光客と思しき人が「これ、アンタのだろ?持って帰れよ」とばかりにおじさんに突き出した。おじさんは泡を食ったような表情をしてそれを受け取ったけど、結局足の下にそれを置き、忘れたフリをして置いて行った。

 あの中国人観光客の男性、めちゃくちゃカッコ良かった。もちろん中身の話。「注意したいけどなぁ……」と思ったけど言わなかった私に比べて、彼は堂々とゴミを拾い上げ、持ち主に正面から突き出した。その目には全く躊躇が無かった。カッコいい。髪型とか服とかどうっっっでもいい。こういうところで、誰といたとしてもスパッと注意できる人こそ、本当にイケメンだなって思う。

 ちなみにその後私はライブ会場の周辺を彷徨うんだけど、その半分はゴミ箱を探してウロウロしていた。どこに行っても「ゴミは持ち帰りましょう!」の看板はあるのにゴミ箱は無く、おじさんの動機も分からなくは無いなという気がした。

和歌山城天守
物販後に撮った和歌山城。ライブグッズのTシャツを着ている人とすれ違う度、お互いの服と目が合った。奇妙な仲間意識。ちなみに物販は前から3番目。
ぴあアリーナMMの外観
ぴあアリーナMMの外観。会場物販は長蛇の列。良くわからないところに人だかりができていて、混ざって3分待っていたら10秒だけツアーの画像が出たぐらいしかエピソードがない。横浜来たのに。

Tour 2023 “Ninth Peel”

 和歌山公演は1階席の中央より少し後ろの辺り、横浜公演は2階の右手のスタンド席 (syudouの幕張と似たアングル) だった。右にも左にもソロ参戦と思しき女性。バンド歴が長いからか、今までのライブに比べて年齢層はやや高めだった。でも和歌山には小学生っぽい女の子もいたり、幅広い世代に長く愛されてるんだなぁという印象。
 また、ソロ参戦も若干多く見受けられた気がする。たまたまかもしれないけど。やっぱり強い芯を持ったバンドには、強い芯を持ったファンがいるんだろうか。個人的にはファンクラブのグッズがめっちゃ目に入って購買意欲を掻き立てられた。学生にはちょっと高いと思うんだけど何でみんな入れてるの?!それともみんなメイク上手くて私より年下に見えるだけ???

 ボケーっと1時間くらい待ってライトが消え、全員立ち上がる。今までで1番早い立ち上がり。どーせ立つしなっていうファンの雰囲気が好き。イズミカワソラの絵の具が流れる最中3人が登場し、息を吸い込むようにSEが止み、ロックバンドのライブが始まる。

 1曲目は夢が覚めたら(at that river)。え?アルバムの曲じゃないの?っていう驚き。今までのライブで最速で(もちろんポジティブに)裏切られた経験だと思う。いい曲だなとは思ってたけど高校2年の当時はそんなにハマらなかった。ゆっくりなBPMだし、失恋の経験もなかったからかな。でもライブ故かそれとも私の変質か、鳥肌立つくらいカッコよかった。1曲目なのにもう中盤かと錯覚するほど引き込まれた。
 そしてNinth Peelから……ではなくシュガーソングとビターステップ。むしろやらないかなと思ってたら2曲目にぶっ込んできた。言わずと知れた奇跡の曲が、今目の前で鳴っている。さすがに田淵はベース投げなかったけど、本当にあんなに動くんだって思った。中3の頃は学校から爆速で帰ってラップトップでショートバージョンを何度も聴いてたっけ。曲名がsing a songとbeat a stepから来てるという説を8年越しに知った。

UNISON SQUARE GARDENですようこそォ!

超激レアMC①

 3曲目はミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂという曲。やっとNinth Peelからです。「毎日をちゃんと諦めないでくれ」というフレーズが好き。「罠に嵌めかえせ白旗はまだ早いぞ!」もいいよね。ワオワオ言うギターソロも良い。
 制御不能だぁ〜からのNihil Pip Viper。2番で転調してからの元に戻る時のギターに合わせて背後の「Ninth Peel」の文字が1文字ずつ灯る演出が個人的に良かった。(超ニッチだと思うけど。) シュガビタを入れたのは「蓋然性合理主義なんてガキの遊びだわ」が言いたかっただけだろ!「Make me hazy この際!」なんて言う頃にはもうとっくのとうにhazyだったんだけど。

 ちょっとセッションがあってからのCity peel。聴きたかった曲なので割とスローな曲なのにめちゃめちゃテンションが上がった。曲もさることながら光の演出がとても良かった。サビにふわーっと明るくなる(正確にはライトの方向が変わる)演出が綺麗。
 その流れのまま静謐甘美秋暮抒情。超大好きだけどいわゆる「アルバムの曲」で聴けるわけないと思ってたのでまたテンションが一段上がる。高校2年の秋に、ターミナルのベンチに座ってこの曲を聴いたのを思い出した。あの少し寒くなってきた時間に、友達と話していたのを本当今でも覚えている。ギターの独特の音色も相まって演出される世界観が好き。オレンジ色のライトも綺麗だった。田淵は珍しく大人しかった。

 和歌山公演の時は知らなかった曲。Window開ける。1stアルバムの「アルバムの曲」で、私も流石に知らなかった。聴かせるロックで、白いライトが印象的。雰囲気の割にそこまで暗い歌詞ってわけでもない。和歌山の後購入して聴いていたので横浜公演ではノリノリだった。間奏のベースが綺麗に聞こえる。知らない曲に出逢えるのも、デカい低音が聴けるのもライブの良さ。(ここまで3曲、大人しめなのにテンションが高い私。)
 続けてシューゲイザースピーカー。上がる手の数が戻った。大好きな曲が演奏されて嬉しい、がアルバムツアーなのにこんな贅沢いいんですか?!となる。音源と異なりキーが調整されていた。Cather in the spy から1曲選ぶにあたってこれを持ってくるセンスが最高。ファンのこと分かってる〜と自分の好きな曲が来たから勝手に解釈を押し付けて盛り上がった。

 その後ちゃんとアンチトレンディクラブが演奏され、アルバムツアーであることを思い出した。なんかぐちゃぐちゃ混沌としてる?曲。アルバムでどこに入れるか迷ってたから、このセトリでもどこに入れるか迷ったのかなぁとか考えるなど。
 アルバムツアーであることを思い出した後速攻で失念してMIDNIGHT JUNGLE。大盛り上がり。和歌山公演のリハでこの曲をやっているのがちょっとだけ漏れ聞こえてて、近くの女の人が壁に耳を当てて聞いて踊っていた。男の人はそれを見て楽しそう。私はその2人の近くでリハを聞いていた。故にやることは分かっていたはずなのに、全く知らなかったのと同じ盛り上がり。横浜公園では焚かれたスモークがステージ上にとどまって、前に出ていた田淵以外は見えなくなって面白かった。動き回る田淵だけ見えるっていうね。個人的には前半(まだ前半!)1番の盛り上がりだったと思う。「もったいない!」ってあんなに叫んだの初めてだよ。

Phantom Joke !!

超激レアMC②

 喋ったあああ!PhantomJokeって言ったあああ!カッコいいい!となるのもそのはず。ここまで歌唱以外で言葉を発したのは2公演とも引用部分だけ。どこかで「最後までよろしく!」とは言っていたけどそれだけだ。MCなしでとにかく演奏する密度の濃いライブ。いかにもロックバンドって感じでカッコいいじゃないですか……!
 Numbness like a gingerはここに来た。4月下旬から5月上旬にかけて私の瀕死のメンタルを救ってくれた曲。ここで聞けて良かった。斎藤宏介は口から音源が出るタイプの人かつ歌詞間違いが無かった(多分)ので、恐ろしいな……とこの辺で感じた。涼しい顔でここまで歌っているのもすごい。盛り上がるわけじゃないけど、とても心の傷にしみる時間だった。

 しっかり治療された後はまさかの衝撃。お人好しカメレオン。ライブが終わった後に「まさか!」と言う人も多かった曲。この曲を聴いている頃私は超元気だったので今のところ救われてはいないんだけど、ユニゾンならではのやり方で背中を押してくれる曲。斎藤さんの歌い出しを聴いた瞬間誰もが息を呑んだと思う。Ninth Peelツアーのはずなんだけど、アルバムを食う勢いでまさかの曲を突っ込んでくるサプライズ満載のセトリが最高だった。
 しっとりした後は貴雄のドラムソロ。カッコ良すぎ。そして超楽しそう。その日人類は思い出した。彼も田淵側の人間だということを。特に和歌山公演は距離が近かったので、お腹どころか全身にズシズシ響いて良かった。

 そしてここに来てようやくNinth Peel 1曲目、スペースシャトル・ララバイ。1, 2曲目に無かったからやらないのかと思っていた。なんと無く終盤に向かう雰囲気を感じつつも、ドラムソロに続きまだまだ盛り上がっていくことを、言葉を使わずに予感させる。本当に上手いバンドだなと思う。
 「サブスク出してないから全然聴かれてないと思うけどやります」と言っていた放課後マリアージュ。私は今現在に至るまで計3回しか聴いたことがないんだけど、手拍子が楽しい。あと遊ぶ約束を控えている時のワクワク感をあらわす歌詞も好き。この曲を弾きながらとんでもない動きをする田淵も好き。

 そして終盤最高級の盛り上がり。徹頭徹尾夜な夜なドライブ。こんなに盛り上がることってあるんだと思ったし、こんなにテンションが上がることってあるんだと自分でも思った。もう疲れ切ってるはずなのに、不思議とまだまだイケる気がした。あの5, 6, 7, 8からのサビを越える盛り上がり方ってここから先出会えるんだろうか?もうめちゃくちゃになっても良いと思えるくらいはしゃぎまくった。
 そしてそんな状況を見透かしたかのようなカオスが極まる。そりゃあんだけ盛り上がればカオスだっけ極まるでしょ!この曲は貴雄が最高だった。ここまでにも言えることなんだけど、なんで彼はあそこまで叩きながらスティックを回すことができるんだ。そして本当に楽しそう。オーラのせいなのか超大きく見えた。

どうもありがとう
UNISON SQUARE GARDENでした!
ラストッ!

超激レアMC③

 ラストと言われつつもなんかこのまま一生続きそうな雰囲気もあるがラスト。恋する惑星。Ninth Peel の文字にいつ出現したか忘れた(確かスペースシャトルの時?)剥かれた惑星に加え、ユニゾンのロゴや五線譜、跳ねるネコを含めた大量のネオンが出現。ラストをカラフルに彩る。ラストがこの曲とは正直思っていなかったのでこれもまた衝撃。「衝撃のラスト!」ってこういうことなのか!みんなで叫ぶ「アーイヤイヤ!」が一体感があって良かった。
 ユニゾンのライブは本当に自由で、手拍子や手の振りを煽ることは一切ない。自由と言いつつ手拍子を煽ったりすることは(全然良いと思うけど)確かに矛盾かもしれない。ライブ中のそういう営みはライブという空間ゆえのそうした受動的な側面も秘めている。でもユニゾンのライブはその受動性を極限まで感じさせないような、本当に限界まで自由なライブを楽しめる。そういう意味でもやっぱり「他とは違うかもな」と思えた。
 その中で、全員が煽られたりすることなく能動的に動いた結果「アーイヤイヤ!」に代表される一体感を生み出したのは、特筆するべきことだと思う。少なくとも私は感動した。空前のスケールの一体感だ。
 最後の「アーイヤイヤ!」が終わり、ドラムが一際大きな音を鳴らす。

UNISON SQUARE GARDEN でした!
バイバイ!

超激レアMC④

 田淵は終始暴れて、斎藤さんは終始涼しい顔で袖に捌けていった。最後に貴雄が投げキッスをして、会場にいる全員を乙女にしていった。もうこの時点で軽い放心状態。なんか若干の眩暈も感じていた。(程なく溶け出す淡い眩暈……?)
 水分補給をしてアンコールに加わろう……と思っていたら10秒くらいで戻ってきた。私は爆速でお茶を流し込み、また立ち上がった。横浜公演では和歌山の経験を踏まえてずっと立っていた。まめに水分をとっていたけどやはり若干の眩暈がするのは人いきれのせいか私が興奮しすぎているのか。

ぅおまけっ!

超激レアMC⑤

 と言うや否やサラッとアンコールが始まった。
 1曲目はガリレオのショーケース。和歌山公演の時は知らなかった曲。ただ横浜公演の時にはめっちゃ好きになっていたので超盛り上がった。帰りにこの曲を聴けたことを半泣きになって喜ぶ人たちもいた。確かにアルバムツアーのセトリに入れるにはかなり意外性のある曲。私も!ってなったけど普通に横を通り過ぎた。ちょっとだけライブ一緒に行く友達が欲しいと思った。ちょっとだけ。
 2曲目はkaleido proud fiesta。やらないわけないと思ってた。最後の曲で「かくしてまたストーリーは始まる」って言うの良いよね。みんなもう出し切ろうという気迫が伝わるくらい、高く手を挙げていた。
 MCほぼ無しで曲をギリギリまで詰め込んで、疾走していくようなライブ。和歌山も横浜もそうだった。高い演奏技術を見せつけて、めちゃくちゃやって、ちょっとふざけて、最高の空間を作り上げていた。全力で自分たちが楽しみつつ、カッコよさを演出してお客さんも楽しませていた。かくして始まった彼らの快進撃はまだまだ続くんだろうなぁとか考えていたらライブが終わっていた。貴雄は最後、会場全体を抱きしめていた。

 もう左腕が筋肉痛。なんとも言えない多幸感で疲労感を引きずりながら家路についた。11月にある第2弾のツアーも楽しみだ。万事朝日を迎えるため、諸々頑張らなきゃ。

 アンコールのガリレオのショーケースが流れてる。「現実はそんなに悲しいものかしら」って良いよね。かしらの歌い方も好き。

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