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ドイツ某大学院博士課程所属。特に指導を受けたわけでもないのに、耳や目から得た情報の分析…

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ドイツ某大学院博士課程所属。特に指導を受けたわけでもないのに、耳や目から得た情報の分析により完璧な語学力を身に付けていく幼児の言語学習のメカニズムについて研究してます。将来は、日本で幼児のバイリンガル教育に携わり、日本の語学教育を根元から改善したいと考えています。

最近の記事

赤ちゃんへの発話

幼児の言語発達には、幼児に対する発話の質と量が重要である。質は、なるべくはっきり、ゆっくり、高い音程で話して上げること。何よりも何のことを言っているか分かるように視線や指差しで注意を共有することが大事。量は、単純に話しかける量です。⁡ ⁡質が良くて、量が多い方が、幼児の言語発達は速いです。⁡ 合言葉は、視線、指差し、赤ちゃん言葉、です。

    • 幼児がrとlを識別してるって、どうやって判断するの?

      博士課程の新学期が始まり暫く投稿できていませんでしたが、教授たちがクリスマス休暇に入ったので時間ができました。日本では正月が大イベントだったりしますが、欧州ではクリスマスの休暇が圧倒的に大きなイベントとなっています。今回は、今まで書いてきた幼児が持つ音声の聞き取り能力(例えば、rightとlightや、badとbedなど、音声的に近い音声の聞き取り能力)をどのようにして測るのか、ということについてまとめてみます。実際に家で出来る方法もありますので、試してみてくださいね。 大

      • Skypeで言葉は教えられるか。

        前々回に、DVDが幼児の語学力向上には繋がりませんよということをお話しましたが、今回はSkypeなどのビデオチャットならどうなのか、というお話です。まずはビデオチャットが注目された背景から紹介します。 まず、そもそもなぜDVDが幼児の語学力養成に繋がらないのか。DVDは、ちなみに語学力養成だけでなく、社会的能力や認知能力の向上にも繋がらないと言われています。それは、まずDVDの中の登場人物と注意や意識の共有ができないこと。赤ちゃんは大人と話すときに、同じものを見たり、同じ音

        • バイリンガル教育に関して、親がよく抱く六つの疑問

          今回は、誰かの研究そのものではなくて、研究のまとめ的な論文を読んで、面白かったので、まとめておきます。バイリンガル教育に関して、親がよく抱く六つの疑問について答えた論文です。 六つの疑問に映る前に、まず、バイリンガルとは何かですが、子供でも大人でも二つの言語を話す能力や人の事を言います。幼少期からバイリンガルであることを同時性バイリンガリズム(simultaneous bilingualism)、幼少期を過ぎてからの学習によるバイリンガルを後続性バイリンガリズム(conse

        赤ちゃんへの発話

          音声の聞き取り2

          前回は、「なぜ外国語の聞き取りは難しいのか」というのと「なぜ赤ちゃんは持っている聞き取り能力をわざわざ母国語に限定するのか」を見てきました。今回は赤ちゃんが持っている識別能力を1歳以降まで保てないのか実験した研究を見ていきましょう。つまり、「赤ちゃんが英語のrとlを9カ月くらいまで聞き取れるのは分かった。じゃあ、その聞き取り能力を、どうにかして保てないの?」という疑問に関しての研究です。 まずは、シアトルのKuhlさん。第一回でも出てきました。 アメリカ人の赤ちゃんに、中国

          音声の聞き取り2

          音声の習得1

          さっそくですが、まずは、私の原点、音声の聞き取りに関して見ていきましょう。 語学を勉強していれば、音声の聞き取りや発音が難しいと感じた経験が誰でもあると思う。例えば、lightとrightの違いが聞き取れないとか、badやthinkの発音が上手くできないとか、英語を学ぶ上で日本人が直面する音声面の問題は非常に多い。sitとshitはカタカナで書くとどちらもシットだが、その発音は口の中の空気の通り方で区別されていて、どちらにも日本語のシの発音をしてしまうと、思わぬ誤解を生むこ

          音声の習得1

          研究のきっかけ。

          24歳の時、ワーホリを利用してドイツに飛び立ち、商社や機械関係の会社に30歳になるまで勤めていた。30歳で辞めた会社からは、ドイツ支店の支店長の話までいただいたが、30歳になる少し前から人生の目的について考えていた私は、その提案をお断りし、大学院留学に向けて準備を進めた。そもそも、僕のキャリアは英語の教師から始まった。兵庫県の私立中高一貫校で、中学生と高校生に英語を教えた。ただ当時23歳で、まだまだ人に何かを教えてる立場じゃないなと思った僕は、より多くの経験を得るためにドイツ

          研究のきっかけ。