夏夢(後編) -POEMさんの万代シテイパークフェスに寄せて-

2017年5月6日。
その年の大型連休の最終日(翌日の日曜日は仕事があったのでこの日が最終日)。
前日に慣れない公式フォームへのチケット予約入力を経て、自らの手で初めて国道49号線の先にある県境を超える日が来た。

この日、3週間前に出会ったPOEMさんの出演する、郡山市はミューカレがくと館へと単身向かったのだ。
たった3週間前に見たアイドルさんをまた観たくて。星の数ほどの遠征をされている方がに比べれば僕の行軍など大したものではないが、我ながらよくやったと思う。
翌日は早朝から仕事、無理な行程は組めない。となると隣県。またちょうどよくこの日にイベントがあったものだ。

そして翌5月6日。
AM7:00、一人出発した。

約4時間かけて新潟県五泉市から福島県郡山市まで駆け抜けた。
(この日のツイートは久しぶりに見たのだが、先述の通り雷都少女(デビューしてまだ1年にも満たない)やピイシーズ、せせらぎ小町、ガールズq/b、LUVYA、LOVIN&S、アイくるガールズなどと錚々たるメンツが軒を連ねているのが分かる)
会場に入ると圧倒的アウェー感。どうしようってなもんで(この時会場入り口ですれ違ってなぜか会釈された女の子がいたが、今にして思えばあれがせせらぎ小町のほのかちゃんであった。がんぎパーカーを着ていったので、なんかの裏方さんに見えたのだろうか)。
こんな急きょ駆け付けるのなんて俺くらいなもんだろうと思っていたら新潟のヲタさんを速攻で発見してしまう始末。いやいや、時間があるっていいことですよね。

この日それまでに現地のPOEMヲタさん数人にご挨拶させていただいて、やや緊張がほぐれたのは非常に有難いことであった。
「あの、僕、『うりゃおいうりゃおいおーれーのーPOEM』しか知らないんですが何とかなりますか?」と訊いたら「十分!」と答えられたのでそれも大きなアシストとなった(ちなみにこの時答えてくれたのは松さんであった)。
時間にして確か14時過ぎ…と思ったらやはり正しかった。その時の記録。

従来にも増して語彙力がなくなっていることが分かる。
(この時は5曲やったのだが、音響の手違いで必殺曲「Keep it up!」を2回やっている)

(この当時トレイニーにつき誤植はご容赦あれ)

そうそう、この時POEMの推しに出会ってしまったのだ。ちょうど本名の読みが同じであるためか興味本位で接触に行ったら見事に撃ち抜かれてしまったのだ。
さてもさても、次の日早朝から作業だというのに飛ばし過ぎた。全弾打ち尽くした。ウリャオイウリャオイ、跳ぶわ叫ぶわで3週間前の記憶が一気に戻ってきた。
アウェーな場所でもまるでホームのように盛り上がってしまったことを思い出す。2回目でだよ。出会ってから2年以上経って今こうして振り返ってるけどありえねえってそんなの。
思うのだが、たとえ初めての人でもホームのように盛り上げさせてくれるアットホームさがPOEMの魅力なのではないかと今では思う。
そんな良質のアイドルさんと出会えたのは、やはり良質な世界が繋いだ縁なのであって。
進む未来も出会う人も、無からは生まれないのだ。その縁は僕が大好きだったがんぎっこにあった。
がんぎっこさんがUMUアワードで雁ばってくれた(←この表現は久しぶりに使った)からこそ、様々な出会いに繋がったわけで。
2015年、じざえぃさんにがんぎっこのみぽにょ生誕に連行…連れていってもらっていなければ今頃ここまでの出会いはなかっただろう。このがんぎっことの出会いが乙銀、カナビス(プリエク)の出会いにも繋がるのだから縁とは妙なものである。
そこからPOEMを好きになってしまい、約1年半後には前述の東京渋谷でのワンマンにも足を運ぶことになったのだが、それはまた別のお話。

全ての出会いは、繋がっている。
共通項は笑顔。きっと。

──それから2年あまり。
POEMはメンバー2人の脱退を乗り越え、4人体制でまた歩み始めることになってから2ヶ月が経過していた。
今だから言うが、旧メンバー・小桜ゆうちゃん脱退の際、「もしかしたら解散か」と勝手に思ってしまっていたのだ。
諸行無常、是非もなし。そう思って心のリソースを別の場所に使おうかとしていた頃。
デフラグでも整理しきれない荒れ地が出来ていた時、「POEM新体制」のニュース。
正直心が情報に追いついていなかったまま2ヶ月経過してしまったが、そのブランクを埋める音が万代シテイパークに鳴り響いた。

2019年8月31日、「STAGE Fes.」開幕の曲。
「Keep it up!」。

「絶対これを最初に持って来る」、そんな根拠のない妙な確信があったのだがそれが見事に的中。
ああ、戻ってきた。ごめんよPOEMさん、俺戻って来れたよ。一瞬で。
そんな気持ちが溢れた。
初めてPOEMに出会った時にはいなかった新潟のヲタさんが笑顔で暴れ回っている。それもかなりの数。

この面子も久しぶりだな。
3ヶ月前の同じ場所で一度会っているのだが、仕事あがりで速攻で駆けつけたため、楽しめた実感が殆どなかったのだ。
そんなためか上記のブランクしか空いてないのにもかかわらず、なんだか同窓会に招かれたようなそんな気さえしていた。
(実際、かつて新潟に勤務していたヲタさんもこの日関東から駆けつけたほど)
出会った頃とは周りの仲間も違うけど、そこに必ずあったのは笑顔と温かい繋がり。ありがとうのきもち(byあいみん)。
その笑顔がいつの日か人を結びつける。
POEMさんのレパートリーに、「夏夢」と言う曲がある。歌詞は非常に思わせぶりで、ともすればもう二度と会うことができない人への想いを歌っているのかも知れない内容。しかし実際にはそんな切ない夏の思い出ではなく、夏休みの最後の一ページのような儚くも楽しい時間をもたらしてくれたのだ。

生きてみるもんだね。

私用により1日めの8月31日しか参加できなかったが、余りある有意義なフェスを経験できたことは揺るぎない事実。
改めまして、POEMさん。
新潟への縁を作って下さって、あのフェスを企画して下さって、ありがとうございました。

(※かつて新潟へツアーに訪れる前、新潟日報の取材を受けた時の記事です)

これからもその縁が、POEMさんの活動が続いていきますように。

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