見出し画像

2044年 国境がなくなる #2044

 国境のない世界をイメージすることは、現在は簡単ではありません。しかし一部では既に実現しているといえます。インターネットでつながってさえいれば、世界のどこであろうと通信や映像、輸送手段さえあれば商品のやり取りが可能です。もちろん国によっては、通信が制限されている地域もありますが。

 近代国家間の国境という制度は、1648年に結ばれたウエストファリア条約から始まり、主権国家は明確な領土を持つものとされました。ですから国境のある世界は、たった400年にも満たない時間しか経ってないということになります。人類はもともと国境のない世界にほとんどの時間を過ごしてきました。

国の境は心の境

 ウエストファリア条約は、30年戦争の講和条約でした。すなわち戦いを終わらせるために国の境目を確定しました。人間や民族、国家の間が戦わないようにするために国境を作ったということになります。しかし、その後も国家同士、また連合しながら多くの戦争が起きてきました。国境は、民族の壁、政治の壁、経済の壁、そして心の壁として長年作られ続けてきました。

 第2次世界大戦後、国境が作られたヨーロッパで共同体の発想が生まれ、1993年にはマーストリヒト条約により欧州連合(EU)が設立されました。国境はまだありますが、域内における人、物、サービスの自由な移動が実現しました。イギリスの離脱など、課題も多いですが、国境をなくす方向へ確実に進んでいます。

国境の意味がなくなる世界

 「ヨーロッパ復興開発銀行」初代総裁を務め、「ヨーロッパ最高の知性」とも称される経済学者のジャック・アタリ氏は、国境は今後有名無実化していくと言っています。テクノロジーの進化や経済の発展により、国境は発展の邪魔になっていくのです。国境がない方が発展するのであれば、自然に国境は撤廃される方向に向かうでしょう。

 今年、来年にすぐというわけにはいきませんが、EUのように域内が自由になる地域が増えていくでしょう。また国家自体が合併していくことが20年の間に起こると考えます。世界中の国境がなくなるにはまだ年月がかかると思いますが、確実にその世界が訪れます。国境がない方が発展する世界、国境のない世界が常識になる時をめざしていきます。

#国境 #撤廃 #欧州連合 #ジャック・アタリ #EU

国際平和救助隊の活動のため、活用させていただきます!