公認不正検査士(CFE)試験を受けました

会計系を含む各種アドベントカレンダーが盛り上がっていますね。私の(本当の意味での)箸休め的な記事も概ね好評をいただいたようで、ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

今後は通常運用モードに入りますが、今週は今回のテーマである公認不正検査士(以下「CFE」)試験を受けた関係もあり、あまり時間もないので、受けた感想等をつらつら書きたいと思います。

なお、以下のNoteで述べた通り、(テーマは当初想定よりブレてきておりますが)Noteの目的は私自身の学習内容やアウトプット作業そのもののブラッシュアップであり、その中でお一人でも、少しでも気づきがあれば尚良いという、割と自分勝手な運用になっている点につきましてはご容赦ください。

CFE試験とは

詳しくは以下のリンク先に記載の通りですが、概要は以下の通りです。

  • 年に2回(6月、12月)に開催、在宅で受験可能

  • 4科目あり(次項で詳述)、各科目125問(全問マークシート)

  • 制限時間は各科目180分(なお、通常は60~120分で終わる)

  • 各科目75%以上の正答率で合格(個人的にハードル高めな印象)

  • 受験に当たり、ACFE(日本公認不正検査士協会)への加入が必要

  • 上記入会金、教材費及び受験料コミコミで費用は独学で8万円程度

  • 科目合格制度あり(初回を含めて連続する3回まで)

なお、合格後の登録手続に関しては、例えば3名からの推薦状の取得が必要等、結構面倒ではあるのですが、本記事の記載時点において合否が出ていないため、この点は割愛します。

試験科目

前述のリンク先に記載しておりますが、概要は以下の通りです。公認会計士である私の観点からになりますが、少し補足します。

日本公認不正検査士協会HPより
  • 財務取引と不正スキーム:科目名から最もとっつきやすそうではありますが、会計監査で主に目にする不正な財務報告だけではなく、横領等の資産の流用や贈収賄等、対象は思いの外幅広く、またスキーム名も耳慣れないものがちらほらあり、意外と侮れないです。

  • 法律:法律を勉強していない限り、恐らく最もとっつきにくい科目です。更に、日本のような大陸法と英米等のコモンローやそれに伴う裁判制度の違い等もあり、結構暗記の要素が強い科目です。一方、SUITSやブラックリスト等の海外の法廷・犯罪捜査系のドラマを見ていたものあり、個人的には意外と学習を楽しめました。

  • 不正調査:不正調査のプロセスやその具体的な方法に関する科目です。第三者委員会等のケースではどちらかというと弁護士側が考慮することの多い項目が多いのですが、学習しながらあの時の弁護士の言動はこういう背景があったのねと思い出すことも多く、最も実務に役立つ科目だったかもしれません。

  • 不正の防止と抑止:コーポレート・ガバナンスや内部統制等、個人的には最もとっつきやすかった科目です。また犯罪行動の理解やホワイトカラー犯罪の傾向等については、読み物としても面白かったです。

勉強方法

この試験に限らず、一般的に50時間以内の勉強で合格できると言われる日本語の資格・検定試験における私の勉強法は以下のような感じです。

①テキスト1周目→②例題1回目→③テキスト2周目→④例題2回目(1回目で間違えた箇所)→⑤例題3回目(2回目で間違えた箇所、以下全問正答まで繰り返す)→⑥テキスト3周目(最終チェック)

今回の試験もこの方法で試してみましたが、以下の点から少々勉強不足だった点が否めず、正直合否は五分五分って感じです。
ただ今回に関しては、資格取得に切羽詰まっている状況ではないことや、再受験料が1科目5,000円と比較的安価だったため、他のto doとのバランスも考慮して同じ方法で突っ走ることにしました。

  • テキスト(後述)が少しとっつきにくかった(国際資格なので仕方ない)

  • 例題の量が本試験の問題量比で少なかった

  • 75%正答率が求められるため、通常の他の試験(60~70%の正答率)に比べてもう少し精度を上げておくべきだった

テキストは以下のリンクにあるものですが、PDFであり合計で2,000ページ超あるとのことで、こちらは諦め、公認不正検査士協会加入時に冊子で送られてきた「不正検査士マニュアル【要約版】」を使用しました(こちらは400ページ程度)。
試験を受けてみた感じ、要約版が頭に入っていれば問題なさそうです。

ただし、本試験の問題数が合計で500問ある一方で、例題は300問程度しかなく、主にアウトプットから学習するタイプの私としては少々物足りなかったです。
これ以外では、アビタスが対策講座を設けているようなのですが、今回はそこまでコストをかけられなかったため、試験結果を踏まえて次回受験時に考えたいと思います(問題集だけは最低でも入手したい)。

測ったわけではないですが感覚的に、総学習時間は20時間強となりました。

受けてみた感想

この試験のために学んだ用語等も多く、日本の実務だけでは少々とっつきにくい部分もありますが、弁護士や公認会計士等の専門家が不正調査に携わるにあたっては、学習のマイルストーンとするにあたっては丁度よい難易度なのではないかと思いました。

結果は1か月後とのことで、どうなるかはわかりませんが、出た際はこの記事を更新してしれっと公表することにします…笑

(1/11追記)無事に全科目合格していました!!