8・6式典の規制拡大でJCJ広島が市に質問状
日本ジャーナリスト会議広島支部は6月3日、松井一実広島市長に、8月6日の平和記念式で入園禁止エリアを原爆ドーム周辺にまで拡大する法的根拠はなく、「お願い」であることを、市民に説明するよう求める質問状を提出した。6月13日までに文書回答を求めている。質問上全文は以下の通り。
5月7日の広島市による記者発表をもとに、各メディアは、今年の8・6平和記念式典は、入場規制エリアを、原爆ドーム周辺を含む公園全体に広げて実施すると報じている。
この規制措置について、担当課である市民局市民活動推進課は、私たちの問い合わせに対して、「法的な根拠はない」「平和公園を訪れる人たちへの協力要請にすぎない」と明言した。そのことを踏まえ、以下、質問する。一つひとつの質問ごとの回答を、6月13日までに、文書でいただきたい。
質問
1.法的根拠のない「安全対策のための入場規制のお願い」なのに、報道資料は「次の行為を禁止する」とか「禁止行為の中止の要請に従わない場合は、平和記念公園外への退去を命令する」といった表現になっている。これらの表現は、「法的根拠のないお願い」の趣旨にそぐわないのではないか。
2.「ゼッケン・タスキ・ヘルメット・鉢巻等の着用の禁止」は、憲法が保障する表現の自由に明らかに抵触する。「安全対策」のために、これらの着用禁止の措置がなぜ必要なのか。「平和文化」の向上を目指すことをうたう自治体として、このような報道発表は取り消すべきだと思うが、いかがか。
3.そもそも、法的根拠がないのに、なぜ手荷物検査ができるのか。その理由を示されたい。市民が拒否した場合はどうなるのか。
広島市の文書回答は次の通り
日本ジャーナリスト会議広島支部
代 表 幹 事 沢 田 正 様
2024年6月3日付けで御質問のありました今年の平和記念式典における入場規制について、式典を総括している市民局市民活動推進課から、次のとおり回答させていただきます。
<質問1について>
式典の主催者である本市としては、安全・安心かつ円滑に式典を挙行するため、式典会場において一定の行為を禁止することは問題ないものと考えています。
また、禁止行為に該当すると認められる場合は、まずは行為の中止を要請することとしており、仮に当該要請に応じず、その結果として市公園条例違反の事実が生じれば、同条例に基づいて公園からの退去を命ずることができることから、報道資料の表現に問題はないと考えています。
<質問2について>
「ゼッケン・タスキ・ヘルメット・鉢巻等の着用の禁止」については、昨年8月6日に原爆ドーム周辺においてこれらを着用した主義主張の異なる団体間同士の衝突事故があったことを受け、式典の主催者である本市としては、式典参列者の安全・安心の確保と式典の円滑な挙行のため、その再発防止策としてこれらの着用を禁止することは必要であると考えています。
<質問3について>
手荷物検査は、式典参列者の式典会場への入場に当たり、安全対策としてこれまでも実施しているものであり、式典参列者の同意に基づいて行っているものです。
また、手荷物検査を受けていただけない方には、式典会場への入場を御遠慮いただくことになります。
広島市市民局市民活動推進課課長 片桐 清志
TEL 082-504-2103
E-mail:katsudo@city.hiroshima.lg.jp
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