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デザイン思考の観点から考える未来の日本の教育 #Gakkatsu!:第4回

Gakkatsu運営の田原です。
2022年1月30日に、第4回のイベントをオンラインで行いました。
今回のイベントのテーマは「デザイン思考」「未来の日本の教育」。ゲストスピーカーは、TCのJin Kuwata教授。Jin教授は、TCでEducation Leadershipの修士をとられたのち、Instructional Media and TechnologyでMEdの修士と博士号を取得されています。学習デザインやプログラミング思考の観点から、日本の教育の未来についてお話を伺いました。

TCの教授であるサンドラ先生(Gakkatsu顧問)とのやりとりを混ぜながら、プログラミング思考とは何か、デザイン思考とは何かを、分かりやすく解説してくださいました。現在私が通っているプログラムは、Jin教授と同じEducation Leadershipです。そこから彼がどのような経緯を経て、テクノロジーの分野に研究を深めていくことになったのかなど、非常に興味がありました。

第1部 キーノートスピーチ

Jin教授は、まず “Design Thinking” ”Computational Thinking” とは何かについて話してくださいました。どちらの思考法も、課題解決をする際には欠かせない考え方であることが分かりました。

Design Thinkingとは、”empathize, define, ideate, prototype, test”というステップから成ります。例えばEmpathize (共感)の段階では、「子どもの歯ブラシは小さい方がよいか、大きい方がよいか」という問題をもとに、Jin先生が解説してくださいました。最初の想定では、子どもの歯ブラシは、小さく設計されていたそうです。ただ、子どもの様子を観察すると、大きく、つかみやすい歯ブラシの方が、歯を磨くことに適していることが分かりました。この例のように、よく観察することで、他者の視点に立って、物事をとらえることができるようになります。これにより、課題を定義したり、他の可能性を検討したり、適切な解決策を提案できたりすることができるようになります。Design Thinkingは子どもに身につけさせたい思考法であると同時に、私たちも課題解決をするために、身につけておく必要があるなと感じました。

最終的には、大きく三つの点を強調してくださいました。

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私にとっては最後の”Look to the outside, but don’t forget to look inward.” がとても印象的でした。課題解決に取り組む際は、「新しい解決策はないか」と視点を外に向けがち。ただ忘れてはいけないのは、自分の強みを活かすなどといった、自分の内面を見ることも大事だということです。「自分だからできるアプローチは何か」という観点を忘れずに、課題解決に取り組んでいかねばと感じました。

第2部 QAセッション

後半のQAセッションでは、Jin先生とサンドラ先生のお二方に、質問に答えていただきました。特に、デザイン思考に関する質問が多かったように思います。たとえば、「正しい課題を特定できたかどうか、どうやって判断したらよいのか?」という質問に対しては、「やってみるまでは分からない。課題の特定には時間がかかる。我慢強く、やり続けることが大事だ」と答えていただきました。

あるときに自分が「これが課題だ!」と思ったものでも、時間が経つと、別の課題が見つかることもあります。すでによい解決策が実践されていることもあります。人に話したり、手を動かしてみたりすることで、本当に解決すべき課題が見つかるのだということを知りました。

今回のGakkatsu!を振り返って、教育を解決する当事者として、大事な視点をたくさん学ぶことができました。今後私たちは、ロールモデルの方々から得た気づきをもとに、プロジェクトに取り組みます。その際に、Jin先生から教えていただいたデザイン思考のステップを意識しつつ、有効なアプローチを考えていきます。

次回予告

次回は、2 月 18 日(金)に、「Gakkatsu! 井戸端会議」というスペシャルイベントを行います。教育大学院の学生はもちろん、バックグラウンドの異なる、様々な学生の知恵を集め、皆さんが感じてきた日本の教育の良さ、足りないところを共有し、議論を深めます。カジュアルな雰囲気で、スクールの枠を越えて、たまたま集まった人同士で教育について考える。そんなコンセプトで、【Gakkatsu! 井戸端会議】を行います。詳細はまたご連絡しますので、お楽しみに!

Gakkatsu!井戸端会議 (4)


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