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教育DXの先にある学びの在り方について考える #Gakkatsu!:第3回

Gakkatsu運営の田原です。
2022年1月15日に、第3回のイベントをオンラインで行いました。
本年最初のイベントです。

今回のイベントのテーマは「日本の教育改革」「教育DX」
ゲストスピーカーは、文部科学省審議官の合田哲雄さん
合田さんは学習指導要領の改訂を担当されており、現在文部科学省が進めている教育改革の中核を担われています。

これまで、二人のゲストスピーカーを招き、イベントを実施してきました。
サンドラ大喜多教授(コロンビア教育大学院教授)には未来の教育について、松田悠介さん(Crimson Education)にはグローバル教育についてお話を伺いました。
視点を「未来」「海外」と広げたのちに、「『日本』では、今後教育はどうなっていくのだろう?」という疑問が沸き、合田さんに来ていただきました。
公立高校で働いていた私としては、日本の教育改革を担っている方のお話を直接聞くことができ、ものすごく勉強になりました。

第1部 キーノートスピーチ

合田さんは、社会構造の変化、世界の学びなどにふれつつ、日本の学びのイメージについて共有してくださいました。

これだけ変化のスピードが速く、複雑になっている時代。
OECDが示すように、現状に疑問を持ち、他者と協働しながら課題解決ができる人を育成していくことが求められています。
「子どもたちの認知の特性や学び方は子どもたちによって違う」という前提をもとに、学びを転換していかなければならないということを感じました。

以下は、本記事のタイトルでもある「教育DXの先にある学びの在り方」を示した図です。
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             (引用:合田さん当日のキーノート資料より)

どのように教室での学習が転換していくかが図示されています。
個別最適な学びを実現するために、学校をデジタル化していく必要があることがよく分かりました。

私は8年間、公立高校で教員をしてきました。
この中でも、学校の様子は変わってきていると感じます。
特に、コロナの影響は大きく、生徒がタブレット端末を使えるようになった学校は多いです。

一方で、学習体験についてはあまり変わっていないと感じています。
一人ひとりの生徒が、もっと効率的に自分の好きな方法で学べるようになるには、教員が意識を変え、トレーニングを積まなければいけません。
評価の仕方や、保護者との関わり方なども変えなければいけません。
このように考えると、やるべきことはまだまだ山積みです。

キーノートスピーチを聞いて、教育に関わる一人ひとりが当事者意識をもち、少しでも前に進めていく必要があると感じました。

第2部 Q&Aセッション

Q&Aセッションでは、幅広く質問が出されました。

例えば、「どれくらいのスピードで、現場におりていくのか」というスピード感への質問には、

「これまでは、伝達には長い時間がかかっていた。デジタル化によって、すぐ情報のやりとりができる。コミュニケーションギャップを埋めるためのデジタル化でもある」

という説明をいただき、確かにそうだな、と納得しました。

現場の教員は、学習指導要領について直接説明を受ける機会はありません。
しかしながら今は、YouTubeにある動画を観ることで理解はできますし、SNSでのメッセージのやりとりも可能です。
テクノロジーによって、国が求めていることと、現場でやっていることのギャップが埋めやすくなることをイメージすることができました。

他には教員のエンパワーメント、データの扱い、大学教育についてなど、多くの質問に合田さんに答えていただきました。
学校改革の中核を担う方に、直接質問ができるという大変貴重な場でした。

第3回を振り返って

合田さんは日本の教育について、これまでとこれからを丁寧に解説してくださいました。
学び、教師、学校が、今まさにダイナミックに変わろうとしています。
変化を起こそうと、様々な人が必死に、取り組まれていることが伝わってきました。
私にとって、この気づきが最大の学びでした。

過去の成果や失敗を振り返る。
これまでになかったコラボレーションを生み出す。
そして、形にする。

合田さんから熱のこもったお話を聞くことができ、私もやらねばという思いを強くしました。

Gakkatsuは今後、チームに分かれ、プロジェクトに取り組みます。
ゲストで来ていただいた方から得た課題に対して、解決策を提示します。

教育に関わる当事者として、Gakkatsuにご参加いただいている方々と、日本の教育を一歩でも進めていければと思います。

次回予告

次回は、1 月 28 日(金)13:00 - 15:00 (EST)に、Jin Kuwata教授(コロンビア教育大学院教授)を招いて、第4回のイベントを行います。詳細はまたご連絡しますので、お楽しみに!


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