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サブグループ分析とは?

システマティックレビューをやる際、「サブグループ分析(subgroup analysis)」だとか「感度分析(sensitivity analysis)」という言葉を目にすると思います(分析ではなく解析という言葉を使う場合がありますが、ここでは分析に統一しておきます)。
「ある程度文献が集まったから、層(例えば年齢層)で分類して細かくメタ分析やってみよう!」という気持ちでサブグループ分析と記載しようとしているそこのあなた! それはサブグループ分析ではなく、層化分析(stratified analysis)ですよ!

層化分析とは、収集したデータをグループ分けして、グループごとに分析することです。例えば10件の研究論文のデータがあり、若年層を対象にしたものが5件、老年層を対象にしたものが5件あったとします。それぞれの層だけのデータを使ってメタ分析しようとするものが層化分析になります。
層は3つや4つになっても可能です。でもその層が多くなるとその分、1つの層に入るデータが減るので、あまり多すぎる層はお勧めしません(せめて2つか3つくらい)。

層化分析の説明

サブグループ分析とは、研究参加者全体のうち、ある特定の属性をもった集団に注目し、その集団(サブグループ)を対象として群間差の一様性を確認することです。例えば上記のように若年層5件と老年層5件のデータに分け、それぞれでメタ分析して(ここまでは層化分析と一緒)、それによって出力された結果同士を比較して差があるか(交互作用があるか)を見ます。層化分析と違うのは、1つの層に注目するのではなく、層と層の間に有意な違いがあるかどうかに注目する分析方法です。そのため、ここで分ける層は2つでないといけません。

サブグループ分析の説明

おなじような分析で感度分析という言葉があります。これは、あるデータが全体の結果にどのように影響を与えるかを定量的に示したものになります。例えば若年層9件、老年層1件がSRに含まれていたとします。この場合、明らかに異質な(でも設定したPICOには当てはまっている)層が入ったメタ分析結果を本当に信頼していいものか迷いますよね。その時に感度分析が必要になります。全体10件のメタ分析結果と、老年層1件を外した9件のメタ分析結果の間に有意な違いがあるかどうかを確認して、「老年層を外しても結果は変わらないよね」ということを言うための分析になります。上記のサブグループ分析と違うのは、サブグループ分析が「層と層との間の比較」であったのに対し、感度分析は「全体と層との間の比較」になります。

感度分析の説明

いかがでしょうか。この3つの分析は似て非なる分析方法なので、それぞれの意味を理解して、目的意識をもって分析しましょう。
(画像内の文字、汚くてすいません💦)

(文責:植木)


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