見出し画像

そのレビュー、ゾンビになりませんか?

皆さん、こんにちは。
今日はゾンビレビューについてのお話しです。

Cindy Stern, Sonia Hines, Jo Leonardi-Bee, et al. Attack of zombie reviews? JBI Evidence Synthesis editors discuss the commentary "Definition, harms, and prevention of redundant systematic reviews". JBI Evid Synth 2024;22(3):359-363. doi: 10.11124/JBIES-23-00548.

ゾンビレビューとは、死者を生き返らせる方法に関する根拠を明確にするために行われるシステマティックレビュー、、、、ではありません!!

明確な定義はないと思いますが、システマティックレビューのプロトコルが公開されてから、本番のレビューが公開さないまま放置されているものをゾンビレビューと呼びます。
これまでのいくつかの記事でお伝えしてきた通り、現在のシステマティックレビューは実施前にPROSPEROなどのプロトコルレジストリーや、JBI Evid Synthなどのジャーナルにプロトコルを掲載することが求められています。
しかし、中には、計画まではしたのだけど、何らかの理由でレビュー実施と論文投稿まで至らなかったものも多いのが現状です。

困ったことに、システマティックレビューのプロトコルは、世界的にレビューの重複による無駄をなくすための試みであるため、プロトコルが出てしまっている案件については、他の人がシステマティックレビューを行うことは推奨されません。
しかし、いつまでたっても結果が出てこなければ、皆さん、困りますよね?
そのため、ゾンビレビュー問題に取り組むことは重要だと考えられています。
計画者自身が、「あきらめました」と表明してくれればいいのですが、そのような例の方が少ないと思われます。

今回、冒頭で紹介したペーパーには、対応策として、ゾンビになったと思われるプロトコルは削除する、ゾンビ疑いのプロトコルを集めたレジストリーを作るという方法が紹介されています。
墓場でゾンビを倒すRPGのイメージが浮かんだのは私だけでしょうか?

それ以外の対策として、Livingシステマティックレビューという、アップデートを続けるつもりのシステマティックレビューを増やしていくという戦略や、そもそもゾンビを作るような研究者にならないための教育をしましょうということが書かれています。

できれば、ネクロマンサーにはならないようにしたいものですね。

古藤雄大

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?