健康とゲーミフィケーション
今回の紹介するレビューは
A systematic review of gamification in e-Health
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28536062/
というレビューです。
このレビューの概要の前に、ゲーミフィケーションについて。
ゲーミフィケーションとは、ゲームの仕組みを非ゲーム的な状況に適用することで、視聴者を惹きつけ、平凡な活動にちょっとした楽しみを与え、モチベーションや認知の向上につなげることを目的としたものです。
具体的な事例としてよくあげられるものとして、
某回転寿司屋さんのお皿を入れるとルーレットが回り当たれば景品がもらえるものがあります。
他にも、スポーツメーカーによるランニングの距離を記録、シェア、比較、競争できるアプリなどもあります。
このように、ビジネスや教育など様々な分野で活用され2010年代以降注目されてきたものかと思います。
それではレビューの内容に。
【目的】ゲーミフィケーションを用いたe-Healthアプリケーションに関する現在の知識を要約することです
【わかったこと】
・アメリカ、ポルトガル、カナダからの報告が多い(日本は含まれず・・・)
・慢性疾患のリハビリ、身体活動で特に多くの研究がされている
・2つのタイプがある
ゲーミフィケーションアプリ:糖尿病患者の血糖値自己測定を目的にしたものなど
シリアスなゲーム:アルツハイマー型認知症患者の認知トレーニングを目的としたものなど
・最も頻繁に活用されたインセンティブじゃフィードバックと報酬
【課題】
・長期的なモチベーションの持続に、ゲーム要素は効果的ではないかもしれない
・コンテンツ等がターゲットとなるユーザーを適切に捉えていない
・適する年齢が限られる
などがあげられてました。
健康という“真面目”なものに、ゲーム、エンタメという“遊び”の要素を入れることに抵抗があるものもあるかと思いますが、
ゲームの特性を上手く設計することでQOLや健康管理、知識の獲得にとって強い武器となりそうです。
技術的な進歩もあり、今後ますます発展していく分野なのではないかと思っており、今後の研究報告が楽しみです。
(文責:的場)
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