見出し画像

システマティックレビューを始める前に

皆さんはこれまでにシステマティックレビューを行ったことはありますか?
授業や参考書、研修会、Webの情報ページでシステマティックレビューのことを知り、自分でやってみたいと思っている方もいるのではないかと思います。

そんな時、まずは何から始めればよいのでしょうか。

当たり前ですが、何についてシステマティックレビューするかを考えることから始まります。
PICOなどの枠組みを使って、誰を対象とした、どんな介入や現象に関する、どんなアウトカムのデータを統合するかについて、しすぎても足りないくらいに吟味することが重要です。

その途中でふと、「もしかして、このシステマティックレビューってもう誰かがやってるんじゃないだろうか」という思いがよぎるのではないでしょうか。

この前の記事では、そんなシステマティックレビューの被りをなくすための取り組みであるPROSPEROをご紹介しました。
しかし、確認するのはPROSPEROだけでよいのでしょうか。心配になりますよね。

PROSPERO内で検索して、とりあえず、自分がやりたいと考えているシステマティックレビューと類似したものが登録されていないかを確認します。
その次は、Cochrane LibraryJBIのホームページ上で、登録されているシステマティックレビューを確認することになるでしょう。
それでも、類似のレビューがなければ、MEDLINEEMBASE、看護学であればCINAHLなどのデータベースで検索をしてみます。
ここまで来て被っていなければ、おそらくあなたのシステマティックレビューは世界初であり、実施に向けて行動を開始することができるでしょう。
ですが、念のため、図書館司書の方に相談して、再度確認してもらうことをお勧めします。

システマティックレビューは簡単に見えて、非常に多くの労力と時間がかかるものです。
途中までやってから、やっぱり他の研究者が同じものをやっていました、とならないためにも、事前の検索は重要になります。
また、その後のシステマティックレビュー実施の系統的検索のための検索戦略の立案にも図書館司書の方にお手伝いいただくことが望ましいと思います。
そのためにも、システマティックレビューの有無を確かめるときから相談をしておく方がスムーズにレビューを実施することにつながるのではないかと思います。

古藤雄大

画像:いらすとや 図書館で本を検索している人のイラスト(女性)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?