行刑回顧録(上) (下)
(クリックするとPDFが開きます)
刑政48巻5号~6号 昭和10年5~6月
清浦奎吾(嘉永3(1850)年―昭和17(1942)年)は内務省・司法省官僚から出発し、長く司法大臣をし、さらに短期ではあるが内閣総理大臣まで務めた。
この文は、引退していた清浦(当時85歳)による回想の口授を記録したものであり(注)、監獄費の国庫支弁など行刑史上の主要な出来事をほぼ網羅してその経緯を語っている。以下のとおり、大きな記憶違いのない回想となっており、行刑の基本的な進展を把握するのに有益と思われる。
回顧の最後は、今日のような文化的な行刑に進むまでには幾多の隠れた人々の功労を見逃すことはできず、私が多少行刑界に力を致すことができたのもそれらの人々の努力に負うところがすこぶる多いと結んでいる。