『大怪獣のあとしまつ』を好きな人の意見

※注意※

筆者は三木聡さんの作品が大好きであり、時効警察からファンになって、三木監督の映画はほとんど観たし、ドラマも時効警察以降はほとんど観た。つまり、かなり偏った意見をこの後書きます。また、一般的な酷評については基本的には「そうだよねw」と思っているし、作風としてそもそも一般受けしないだろうと思ってます。それは今までの作品も含めてw

公開前の心境

2022年、コロナなどなど色々あった中、ずっと楽しみにしていた三木聡さんの作品だ。テレビドラマは最近はあまり監督として関わっていないようで、時効警察が復活したときはバカ程喜んだ。映画も最近は 4, 5年に 1本くらいで、中々この方の作品を楽しめない。それが 2022年には 2本もある。(大怪獣と、来月2022年8月公開予定の『コンビニエンス・ストーリー』)
嬉しい!!とても嬉しい。私はそんな30代前半の男性です。

この映画を観た人、または三木聡さんの作品を観た方なら分かるであろうが、かなり独特だ。この人以外で、こういうくだらないバカみたいな作品は中々ない。『TRICK』や『SPEC』などのドラマを監督した堤幸彦さんや、『33分探偵』『勇者ヨシヒコ』『銀魂』などを監督した福田雄一さんなど面白い作品を作っている方は他にもいますし、それぞれかなり特徴があって面白い作品を沢山手掛けているが、私は三木さんのくだらない作品が一番好きだ。時効警察最高!転々最高!!

つまらな過ぎて炎上してしまった理由

映画の個人的な感想の前に、つまらな過ぎて話題になってしまった理由を個人的に考えてみた。
大きな理由として考えられるのは『シン・ゴジラ』が先に公開され、大ヒットしてしまったことだと思う。

元々、『大怪獣のあとしまつ』は 2006年頃にはアイディアがあり、それが色々なタイミングとかの問題で 2022年に公開された、と言われている。
参考:下記のインタビュー映像

『シン・ゴジラ』は2014年公開の『GODZILLA ゴジラ』の大ヒットを受けて制作が決定した、と言われている。公開は 2016年だ。
参考:下記の wikipedia

『シン・ゴジラ』が無ければ、ズレた期待を持った多くの人がこの映画を観てしまうという事件は怒らなかったんだろうな、、と。三木監督を知っている人がそういう作品だと思って見る分には炎上するようなものじゃない、と思う。

もしかしたら意図的に炎上商法を映画会社とか広告会社とか何かが焚きつけたのかもしれないし、そしたらそれは大成功だったのかもしれない。知らんけどw

他にも色々あるだろうけどねw

映画の感想

今更だが、個人的には三木監督の作品でも昔のもっとくだらないことばっかしていた映画たちが好きで、最近は徐々にシリアスな描写の割合が増えてきていて笑いが減って残念だな、、と思っている。『転々』以前のバカさの方が好きだ。『熱海の捜査官』とかも面白いけど、昔の方が、、みたいなタイプです。でも新作観たいです!!という気持ちの方が強いけどねw

今回の『大怪獣のあとしまつ』も、基本的には最近の三木さんの傾向に沿った作品だった印象である。くだらない訳分かんないシュールな台詞回しやどうでも良い小ネタをちりばめつつ、シリアスで真面目に作品も進めて行くという、ギャグというよりシュールさが際立つような、そんな感じ。

岩松了さんとふせえりさんの掛け合いは三木監督作品の定番で、いつも通りばかみたいで面白かった。もはや、それが軸であり、この二人が主演と言っても過言ではないのだ!!(念のため知らない人のために説明しておくと、『時効警察』ネタですw)

結局、三木監督の作品はメインストーリーの優先度はそれほど高くないのだ。くだらない掛け合いの優先度が割と高い。他の一般的な作品と比べて。そのシュールさが酷すぎて、内輪ネタみたいな感じになっていたりするが、それが好きな人には面白い。

下ネタが多い印象なのは以前の作品と比べてもそうなので個人的にも不思議ではあるが、なんかそういうのにハマっていた時期なんだろう。知らんけどwそれか、一般受けを狙った結果増えてしまったのか?それは良く分からない。個人的には下ネタは好きじゃないので、もっとくだらないどうでも良い小ネタが沢山の方が嬉しくはある。

「わけ分かんないけど、相変わらずバカみたいなことやってんなww」みたいな笑いが俺は好きだ。元ネタがあっれそれのパロディとか、分かりやすいギャグとか、そういうことじゃない。独特な、訳の分からなさが面白い。訳分かんないこと言って「え、誰にも伝わってない?」みたいなのばっかだったね今回はwそれを笑える人には笑える感じw少数派なのは分かっているさ。

あれだけの豪華キャストで、特撮の技術とか費用とかもめちゃくちゃ豊富だったろうに、あれだけくだらないこと出来るのほんと最高だなと思う。テレビドラマじゃ出来ない豪華さで最高だねw

ネタバレありの感想

小ネタ関連

土屋太鳳さんが研究室?的なところで中にいる元後輩に気付いてもらうためにガラス越しに手振って一生気付いてもらえない、みたいなシーンは笑ったwかわいかったしw

ふせえりさんが岩松了さんを投げ飛ばすアクションシーン?は笑ったww特撮(パロディ)映画で誰がアクションしてんだwwバカすぎるww

オダギリジョーはカッコ良過ぎ。コメディ要素少な目だったが、めちゃくちゃカッコ良かったので良い。

怪獣の名前決める時の場所と人数とか、あの景色も笑ったねwそんで、「希望」って名前つけんだもんねwwバカすぎるww

笹野高史さんの「一般論一般論、あくまで一般論。ぱんろん」も笑ったwぱんろんwww使いたくなるw

松重豊さんも良かった。「うーわ怒ったよ」の時めっちゃ笑ったwwその前のわちゃわちゃした件も含めてねw急に(何やってんだこの人たち)って雰囲気になる感じ好きw

土屋太鳳さんの「ふぇっふぇっふぇっふぇっふぇ」は良かったwwしかも仕事出来すぎ。最強かよ!三木監督作品のヒロインは割と皆好き。今回は割としっかりした系で、可愛い感じで良いキャラクターだったね。

「土産物のまりもは、手で丸めてるって知ってて買うようなものだぞ」って台詞も割と好きww

セルフツッコミ系も割と好きw「銀杏の次はキノコか。うちは居酒屋かっ。ふん、余計なことはいいんすよ」とかw三木監督の過去の作品ではあんまりなかったパターンな気がする。

シャワーのシーンとか、地下通路?みたいなところのシーンとか、三木さんは好きなんだろうな~と。『イン・ザ・プール』や『時効警察』で似たようなシーンあったよね。

ラスト、アラタが「デウスエクスマキナ」って唱えた時にアラタの影に7人くらいヒーロー的な影が順に現れてるけど、あれはウルトラマンのどれかのシリーズのやつなのか、別の何かなのか、、特撮は詳しくないので分からんけど気になる。

メインストーリー

ラストは悲し過ぎ。雨音に負けるの悔し過ぎる。マジかよ。。。アラタとユキノに幸せになってもらいたかった。。まあ生きてても幸せになれない関係だったのかもだけどね。。いや、でも同級生だもんね。選ばれしものだとしても、解決困難な局面がなく平和であればアラタは人間として幸せに暮らせる未来もあったはずで、そもそも怪獣が出現しなければ、人間が解決出来ていれば、、というのもあり、2年というのはちょっと調べても良く分からなかったけれど、また人間に戻れたのに、結局選ばれしものとしての運命を歩むことになったわけで、、それが最後が雨音のせいとかさ、、マジであいつなんなんだよ、、、、くそーーー!!!バッドエンドじゃねぇか!!!!!まあでも助かっても、ユキノが離婚してアラタとくっつくのかは良く分かんないか、、どうなんだろうなー、、あーーーそっちの世界線が気になる!!

とか俺とかは思う訳です。そんな風にラストを考える人は少ないんだろうね。

あと、雨音もミサイル打てって命令の時に泣いているけれど、どういう涙なんだろうね。地球を救ったヒーローを攻撃するということに対してなのか、自分の最愛の人の最愛の人を消すことに対してなのか、別の何かなのか。。

タイトルがひらがなな理由

念のためだが、ちゃんとしたすっきりした考察は出来ていない、です。が、何か理由はあるはず、、と思い考えてみた。

『大怪獣の後始末』ではなく『大怪獣のあとしまつ』と平仮名であとしまつにしているのは、きっと何か意味があるのだろうと思う。プロデューサーも意図があると述べていた。(コメディであることを伝えるため、というだけの意図だとすると拍子抜けだけれど。。w)
参考:

amazon のレビューで見かけた「あと し(を)まつ」という解釈は面白いなと思った。
参考:

そして、例えば下記の記事ではこのような話がある。

「例えば巨大ヒーローが出す光線とか、なんで最初から出さないんだろうと子どもの頃ずっと思っていたんですよ」と幼少期に疑問を告白。それに対するオマージュとパロディをラストシーンに込めていたことを明かした。

そんな話を含めて考えてみたが、例えば「大怪獣の あと し(を)まつ」と考えると、「特撮において、怪獣はヒーローに倒されるのを待つだけ。途中の展開がどうなろうが、最後はヒーローが必殺技で倒して終わり」みたいな意味を込めていたりしないかな?と。まあそうすると、今回の映画においてはしんでる怪獣を大怪獣としたら繋がらないタイトルになるのだが、、まあタイトルが直接的なネタバレになっているケースは少ないからね、そういう間接的な何かをタイトルにしているケースもあるんじゃね?知らんけどw

とか思いました。特撮に限らず、最後に必殺技使って解決!みたいなストーリー展開とか、敵の台詞を待って戦って倒すとか、自分の技の説明をしながら戦って弱点バレて負けるとか、そういうの子供ながらに(なんでさっさと倒さないの?w)みたいに思うことは多々あるよねw

その他

緊急警報、緊急事態宣言、立入禁止区域、元号発表、ニュースでの海外の対応、などなど、、こういうのブラックジョーク的に取り上げるの大丈夫なんだろうか?wって気もしたけれど、当時は飽き飽きしてたり、バカみたいだな~と思ってた部分は結構あるなとは思う。

キスシーンなんで多いの?みたいなのは、確かに三木監督の過去の作品と比較してもそんな感じだけど、まあでも人の関係性を描くには使いやすい方法なのかもね、とは思う。それ程特別な想いを抱いているからスパイまがいなことをしたり、色々な情報操作とかとかの背景が少しだけ見えやすくなるわけで。そういう何かが無いのに協力してたら(え、なんで?)って見えるでしょ。まあ他の描き方もあるだろうけどさ。

最後に

最後まで読んでくださっている方がいたら嬉しいです。この作品が好きな人であれば尚嬉しいです。

批判したい人であったなら、きっと「こいつもだめだ」と思っているんでしょうね。申し訳ない。。

こういう偏った作品が好きな人は少数派でしょうけどやっぱりいるにはいるわけで、テレビも色々な規制が増えてきていて、映画の方が自由にできるとか、なんか色んな条件とかはあるんだろうなと思っているので、個人的には三木監督の作品を今後もどんどん観たいなと思ってます。いつまで観れるのか、楽しみです。

とりあえず、来月公開の『コンビニエンス・ストーリー』を楽しみに待ってます!!


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