奥歯が無くなって祖父鉄蔵を思い出した話

昨年末、歯の中で1番大きい右奥歯が詰め物が取れつつ折れた。大好きな焼きそばを食べてる最中に異物を噛んだ感じがしたが、それが銀歯で奥歯が折れたのが感覚的に分かった。何十年も前に虫歯治療で神経抜いて銀歯を詰めたので、土台となってる歯は痛みを感じず虫歯でボロボロになっていても気づかなかった…柔術を再開して食いしばったりしたことも折れた原因だと思う。

幼少期は父母が共稼ぎでほとんど家にいないから、祖父母と過ごした記憶しかない。けっこう厳しく祖父に育てられた記憶があり、何か悪いことをすると蔵に閉じ込められた!真っ暗なので子供の私には怖くて怖くて仕方がなかった。戦争に行っていた話もよく聞かせられたものだ。祖母にみそおにぎりをよく握ってもらったことは良い記憶、山田家の初の跡取り息子だからかお小遣いは沢山貰えたことも良い記憶として残っている。

私が38歳で祖父が確か92歳だった良い天気の春の日、突然にその時はやってきた。不慮というか今で言う自死、もう15年も経つので悲しみはないので文章にできている。重い持病も無く姿勢も良くて、驚くことに虫歯も無くあの歳で全部自分の歯!良く食べれるので健康そのものだった。きっと100歳は軽く超えるポテンシャルはあったはずなので残念ではある。

悲しいことに53歳にして歯を1本無くした私は92歳の鉄蔵にすでに負けてしまった…後40年1本も無くさずに過ごせるだろうか?ちなみに祖父の死から数ヶ月後に亡くなった父も前歯が1本無くて、差し歯もせずに10数年過ごして59歳で亡くなっている。

歯が無くて上手く喋れず食べれずに過ごしている不便な日常の話でしかない。それにしても同じ年に祖父と父を亡くしたけど、厄年では無かったことに今になって気付いた。

歯が無くとも柔術の練習とボルダリングの練習は続くのよ。


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