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37歳からピアノを始めてよかったこと

ピアノを始めて約1年半が経った。
ほぼ毎日、寝る前の1時間から1時間半、ハイボールかビールを飲みながらピアノを練習して寝るのが日課になった。
はじめは両手で弾いたことがないレベルから、コツコツやっていくうちに坂本龍一の戦場のメリークリスマスを弾けるようにまでなった。調子こいて駅のグランドピアノで演奏したりもした。
いつかやってみたいから、やってみてよかったことがたくさんあり、そしてやればやるほど奥深さがわかってのめり込む。大人になってもこうやってできることは増やせるんだなと思えてとても嬉しい。

電子ピアノを勢いで買った
きっかけは、家電量販店で電子ピアノを娘のために買ったところから。
安いキーボードをお試しでどうかなと物色していたところ、
Rolandの販売員のお姉さんが声をかけてきた。
「お父さん、お母さん、中途半端なのではダメなんです。どうせ買うのであればしっかりしたものを買うことをお勧めします」
熱量高くおすすめしてくれた電子ピアノ。
当時、在宅勤務が多く、家で暇していたこともあって、
娘が使わなかったとしても自分が弾いてみようかなと思って、なんとなくおすすめしてくれた電子ピアノ勢いで買ってしまった。


2ヶ月後、家に電子ピアノが届いた。
スペースも取らないしシンプルで素敵なピアノだ。
息子と娘はちょっといじったものの、すぐ飽きてしまった。
鍵盤を自分で叩いてみた。

うわー、すごくいい音だな。

元々学生時代から音楽が好きで、バンドで歌わせてもらったり、ちょっとだけギター弾いたり、ストリートダンスしたりしていたけど、本格的に楽器をやったことがなかった。
というより、やってみたいけど続かなくて、自分には無理かなと思ってた。
せっかくだからコツコツやってみようと思って、はじめてみることにした。

ピアノレッスンアプリにハマる
楽譜がすごい苦手だったので、ピアノレッスンアプリというものをまずは試すことに。
思えばこれがよかったと思う。楽譜読むことから最初にやっていたら間違いなく挫折していただろう。
ピアノの説明書と一緒にSkooveというアプリのチラシが入っていたので、これにトライすることにした。3ヶ月くらい無料で使えるクーポンが入ってたので気が楽だった。

Bluetoothで電子ピアノを接続して、iPadに表示される楽譜と鍵盤の手の動きを見ながら順番に弾いていく形式。ちょっとずつ進んでいくから楽しい。できるようになるからどんどん楽しくなって、初心者コースをクリアして、中級者、上級者クラシックまで進むことができた。ゲームを一個一個クリアしていくような感覚で進めるうちに少しずつ上手くなっていく。このアプリで、カノンとかエリーゼのためにとか、ColdplayのThe Scientistとかいろんな曲の一節を弾けるようになった。全部で20曲くらいのフレーズを弾けるようになった。
ピアノは先生に習わないと変な癖がつくとか、アプリだけでは身につかないことが多いとか言われるが、わざわざ人に会わずとも、毎日積み重ねられるこういうアプリは自分みたいなタイプにはあっていると思う。(今はもっと練習したいので、ちゃんと人に習いたいなと思い始めているけど)

毎日ハイボール飲みながら、いい音を奏でて寝るの最高
アプリもすごく楽しいんだけど、何よりRolandのこのピアノ、毎日音を出しているだけでとっても気持ちいい。綺麗な音を奏でるだけで毎日いい気分で眠りにつける。
仕事終わり、ご飯食べて、お風呂に入って、22時くらいから、炭酸水とウイスキーでハイボール作って、ピアノの前に座る。気づくと1時間、1時間半と時間が過ぎて、あとヤクルト1000飲んで寝る(笑)これが毎日の習慣になった。この期間は飲み会も少なかったので、寝る前にピアノの前に座ってピアノに没頭するのが一番のリラックスタイム。
余談ですが、スマートウォッチの睡眠計測で、いつも深い眠りがほとんどなかったんだけど、ピアノ毎日弾いてたら、いつの間にか深い眠りが1時間以上計測されるようになってた。ヤクルトの効果もあるけど、音を奏でながら頭がリラックスしてスッキリして寝るのは快眠効果すごくあるのかなと思う。

ピアノの話題で同僚と盛り上がる
この頃、職場の人にピアノやり始めたんだよねという話をすると、思いのほかピアノやってましたという人がたくさんいることがわかった。普段あまり話さない人とも、ピアノの話題で盛り上がったりして、練習の仕方とか色々教えてもらって、ますますピアノやるようになった。「ピアノの練習はやれば必ず少しずつ上手くなる」って若い女性の同僚に教わったのが一番印象に残ってる。最初は全然できない曲でも、毎日反復していくと2ミリくらいずつ弾けるようになってくる。1週間、1ヶ月とやっていくといつも間にかスラスラと弾けるようになる感覚がとても楽しかったので、この言葉はすごく支えになって練習のモチベーションになった。

もっといろんな曲弾きたい
 Skooveがだんだん物足りなくなってきたので、いろんな曲の種類がある違うアプリのFlowkeyというアプリも使ってみることにした。こちらも電子ピアノと接続して練習できるアプリ。クラシックからポップスやゲーム音楽までさまざまなジャンルの曲を練習できるのが良いし、同じ曲でも初心者からプロまで難易度で分けられているものいいところ。

いろんな曲があるけど、坂本龍一の戦場のメリークリスマスがあったのでこれに挑戦して見ることにした。昔から好きな曲。教授みたいにピアノ弾いてみたいという気持ちでトライ。

最初は全然できない。ちょっと無茶だったかなと思いながら練習していく。すらすら弾けるようになるのはかなり時間がかかったけど、3ヶ月、半年と毎日やっていくうちにだんだん弾けるようになってきた。
ピアノは弾けるようになるまでは苦痛なんだけど、弾けるようになると楽しくて、毎日でも弾きたくなる。そして、曲は弾けるようになってからその奥深さがわかる。楽譜はそんなに読めないけど、朝の通勤時間にYoutubeで教授がライブで演奏している様子を見ながら強弱だったりリズムだったり、指の運び方を観て聴いて試して、その繰り返しで練習を繰り返していった。

アニメとかドキュメンタリーとか藤井風とか
ピアノにハマっていくうちに、ピアノの森とかフジコヘミングのドキュメンタリーみたりとか、結構ピアノ系のコンテンツって多いよねと気づく。Youtubeではいろんな人がいろんな曲を弾いているし、藤井風のピアノ弾く指の美しさ具合とかやばいよね。沼だなーピアノ。

グランドピアノを初めて弾いた衝撃
 プロピアニストを以前は志し、今もレッスンを受けながらピアノを続けている同僚の方がいて、ピアノ好きな人たちでお家に伺って弾かせてもらうことになった。
はじめてのグランドピアノ。しかもかなり本格的なYAMAHAのでかいやつ。レッスンを受けている先生も、このピアノが弾きたくて遊びにくるんだとか。
触るのも恐れ多いようなすごいグランドピアノを弾かせていただいた。

 ぶわん!!!!

ものすごい音が鳴った。
なんじゃこりゃ。
いつも弾いているピアノが軽四だとしたら、このピアノはフェラーリなんじゃないかと思った。積んでいるエンジンが違うのだ。
全身に鳥肌が立つ音。ざわざわと身の毛がよだつ。
Rolandの電子ピアノもとっても素敵な音なんだけど、本物のグランドピアノは次元が違った。こんなに素敵な音が出るんだ。
その後、レッスンをしていただいて、グランドピアノの弾き方とか、強弱、練習の仕方とか、クラシックの歴史とか系譜とか色々と教えてもらい、とても楽しい時間だった。
ピアノはじめなかったらこんな経験はできなかったな。

楽譜ほとんど読めないのに、曲の強弱とかリズムとかすごくよく弾けてますよ!
坂本龍一の後はドビュッシーを弾くといいですよ。系譜がわかるので。

褒めるの上手な方なので、9割お世辞と分かりつつもそんなこと言われると気分がのっちゃう。一緒にいったピアノ経験者の皆さんにも、ゼロから始めて1年でここまで弾けるようになるのはすごいねって褒めていただき、完全に浮かれた自分。この日を境に、ピアノ熱がさらに高まり、毎日の練習がさらに楽しくなったのでした。やっぱり人に習うと自分の課題が見えて練習の質が高まるのだと思う。

駅の誰でもピアノでストリートピアノを弾く
旅行先の、小淵沢駅。誰でも弾けるグランドピアノが置いてあった。


先述の通り、グランドピアノの魅力に取り憑かれた自分。
下手くそだとは理解しつつも、グランドピアノ弾きたい欲が勝り駅にあるグランドピアノを勇気を出して弾いてみました。
いい音!!
めちゃくちゃ気持ちいい。
駅構内に下手くそだがグランドピアノのいい音が響く。
2曲ほど暗譜している曲を気持ちよく弾く。
後で妻から、券売機で並んでいる人がこれBGMじゃないの?うまって驚いてたよって話していたそうで、こんなクソ初心者でもちゃんと聴いてもらえたなら本望である。
Youtuberのストリートピアノには程遠いとしても、自分の好きな曲を気持ちよく弾けるってとても楽しい。こんなふうに人に聴かせられるだけでもよかったなと思う。

あれも弾きたい、これも弾きたい、毎日コツコツと
 相変わらずまだ楽譜もほとんど読めないし、基礎もなっていないんだろうけど、毎日ピアノ楽しく弾くことはできてる。楽譜いい加減覚えなきゃとか、そろそろ人に習いたいなとか、クラシックだったりジャズだったりゲーム音楽だったり、その時好きな曲いろいろ練習しているけど、とにかく楽しんで続けていきたい。TVでやってたカンパネラをフジコヘミングの前で弾いた漁師のおじさんみたいな感じで。これまで、音楽聴いたり映画見たりコンテンツを消費する側の趣味が多かったけど、Playするって趣味はとても良い。一生極めれない深みがあるし、やればやるほど楽しさがわかるし、裾野も広いからいろんな関わりもできる。これからもピアノ楽しみながらやっていこうと思う。

練習の記録
最後に、初心者から1年半でこんな感じで弾けるようになったよの記録

ということでこの1年半をまとめてみました。
おっさんだけど楽器弾いてみたいなって人の参考になれば。

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