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2021/05/10 言葉の海

これまでずっと文章を書くことが苦手で、何か寄稿するときやメディアの記事を書くときでも本当に憂鬱だった。

いやそれでも書けてるでしょ、とは言われるけど、言葉を書くことへの恐怖というのは記事を書くタイミングだけじゃなく、SNSへの書き込みの時などでもあるし、きっとずっと付き合っていくものなのだろう。

「言葉の海」が底なしで足の先が見えないからこその恐怖。

カナヅチの人が極端に水を怖がる現象に似ている。


今だに文章を書くことへの恐怖というのはあるけれども、出逢いはその自分の島からの行動を変えた。目の前の海の向こう側を見てみたくなってしまった。海の恐怖よりも海で繋がった他の人の世界を見てみたくなった。

ずっと文章を書くことを続けてきて、僕は恐怖を克服しているのではなくて、その恐怖を大きく超える好奇心が芽生えているのだと感じるようになってきた。

まだまだ砂浜で足を波に乗せているだけなのだけど、それでも海の冷たさやくすぐったさや香りや音が自分の身体を通じて登ってくるのがわかる。

もしかしたら自分だけが怖いと思っていたものは、たくさん言葉の海で活躍されていたりすでに海を漂う人たちも持っているものなのかもしれない。その恐怖があるからこそ誰かと繋がった時の感動は大きく、そして安心するのだと。


自分で少しずつ文章を書くようになって、「言葉の色」を意識するようになってきた。

この1年、たくさんの世界を見るようになって、その世界に通じる道を探すことが自分は好きだと気づくことができた。それが恐怖を感じる道だとしても、その入り口からの景色に想像以上の彩りを感じているし、みんなとなら不安もない。

一文字一文字いま自分が選んでいるその文字が誰かとつながって感動や安心になる。僕は大きなキャンバスに色を塗るように言葉を選び、埋めていく。色をのせるスピードは遅いけど、いつか僕自身の色でみなさんに何かを伝えられるようにしたいなと思っている。


言葉の海で自分自身を表現して、たくさんの人を感じたり、たくさんの人に自分の色が届きますように。


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