最初の詩人

そこに名前なんてものは無く
ただ男と女が愛し合っていた
日が昇れば人々は歓喜し
太陽が沈むまでダンスした
そこにいる人々に所有という概念はなく
全ての人が愛の対象だった
雨が降っても雷が鳴っても
宴は続いた
あきれた神様は
彼らに名前を与えた
やがて人々は個に目覚め
境界線が引かれ
「寂しい」という感情を手にした
最初の詩人はこのようにして生まれた

サポートして頂けると今後の創作活動の意欲になります。