造花は笑う
ぼくが君だと思っていたものは
ぼくが作った幻影だった
その黒くて美しい髪も
スラリと長い手足も
愛らしい唇も
ぼくが愛した幻だった
抱きしめたら棘が刺さって
地だらけの手を見てぼくは目が覚めた
最初から誰もいなかった
最初から愛はなかった
ただ、薔薇の花がクスクス笑っていた
あなたが好きよ
薔薇は言った
さようなら
ぼくは別れを告げた
行かなきゃ
ぼくを待ってる人がいる
どこの誰だか知らないけれど
惑わされない強いこころで
月と太陽の下で踊るんだ
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