『ガマ仙人の憂鬱。』


ある雨上がりの夜のこと。

それぞれ違う色の帽子を被った四人の男女が湖のほとりを歩いていた

すると一匹のカエルが茂みの中から現れて、大きくジャンプしながら四人の前を横切っていった

その光景に驚いた四人の男女は、互いに顔を合わせるとすぐに議論を始めた


「カエルだ!カエルが横切ったんだ」と赤い帽子の男が言った

「何を言っているんだ、今のは蛇だ!冥界から来た蛇に違いない」と黒い帽子の男が言った

「いや、小さい龍だったわ!』と白い帽子の女が言った

「きっと巨大なナメクジよ!」と緑の帽子の女が言った


四人の男女の様子を、茂みの中から観察していたカエルは呆れながらこう言った

『やれやれ、人間という生き物は実に複雑だ。ワシには脳ミソが無いからお前達が何をしていようと、事実は常にひとつしかないというのに。』


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