科学者と踊り子の恋
一つの絵画を
二人が同じように見ている
そう勘違いすることが恋なんだね
君が好きだった玄米も
君が飲んでたサプリメントも
僕は好きになれなかったけれど
そういうところも引っくるめて
君が二股かけてたところも引っくるめて
僕は本当に君のことが好きだったんだよ
僕は演繹的な愛を求め
君は帰納的に愛を探していた
すぐ、そこにあるのに
目の前にあるのに
どうして君は気づいてくれない
君は配られたカードの数字だけを見て
僕はカードを裏返して君だけを見た
あの日、あの夏、あの告白した海岸で
科学者と踊り子の恋は実らないってことを
僕たちは証明してみせたんだ
今でもこの胸をしめつける
胃液みたいに酸っぱい記憶の残滓と引き換えに
※気に入ってくれた方は投げ銭してくれると嬉しいです
サポートして頂けると今後の創作活動の意欲になります。