詩集

109

本

羽を広げているのか
骨を広げているのか
目的があって飛ぶわけじゃない
ただ翼を動かしてるだけさ

空が先か
バードが先か
太陽さえも知らないなんて

あの星座に聞いてみよう
バードが先か
空が先か

美しい声で鳴いて
君とスウィングして
踊り疲れたら眠るだけさ

ほんとうは時間なんて幻想なのかもしれない
時間がなければ
原因もない
結果もない
因果応報もない
善い人も、
悪い人もいない
過去も未来も現在さえも
ほんとうは幻想なのかもしれない

ぼくたちは思考と感情という麻薬に溺れているから
ありのままの世界が見えないんだ

ぼくらが真面目で誠実で
誰に対しても公平で
多くの友人に囲まれながら

いつも自信に満ちあふれて
一度も堕落することなく
尊敬に値すべき人間だったとしたら

きっと
ぼくらは出会ってないよ

オペラ座の怪人みたいに
地獄の炎で焼かれながら

それでも
きみの夢を見ているんだ

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