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薬指なのか、中指なのか〜ギターを始めた全ての人へ

友人がギターを始めた。
じゃらーんと鳴らすSNSの投稿にいいねと、LINEで激励を。それに対する返信が、タイトルにある質問だった。

【Gコードの6弦】を押さえる指の話。

"YouTube先生"は薬指で、"バンドメンバー"は中指だと言う…一体どちらが正解なのか気になったらしい。"山口あい"がどっちなのか、アンケートのつもりだったのかもしれない。


「どっちも正解。押さえやすい方でいいよ」

そう返した。

彼女はボーカリスト。伴奏の仕事をしていた時によく組んだ。
小さな身体に似つかわしくないパワフルな歌声。いったいどこから溢れてくるのか…身体の使い方が上手いのだろうけど、気道の先が異次元につながっているのではと夢想してしまうパワフルさがあった。

…身体は小さかったけど、指はどうだったろうか。指の長さを比べたことがあったような気もするが思い出せない。

僕は指が短い

特に小指の短さはピアノを弾くのに致命的だった。母親がどこかで仕入れてきた「手術で指の股に切れ目を入れ、指が開くようにする人だっている」という話を聞く度、練習嫌いな小学生の僕は顔を顰めた。
中学に入って、吹奏楽部が忙しいからとピアノをやめた。ギターに初めて触れたのはその後、14か15だったと思う。

エレクトーンを習っていれば【コード】というものに馴染みがあっただろう。ピアノを選んだ僕にとってその概念は、「ドミソ」であり「ソシレ」でしかなかった。だから迷わず、シャープのつかないCやGを押さえようとした
参考にしたのは音楽の授業で使っていた歌集だったと思う。巻末に鍵盤とギターのコード表があり、Gの6弦は…薬指だった。

僕の指は短い

取り分け小指に関しては、"ずんぐりむっくり"という形容表現がしっくりくる。薬指を6弦に伸ばしていては、1弦を押さえる位置に小指を折りたたむことができなかった。伝われ。

でも諦めなかった。ピアノも運指が決まっていたけれどその通りになんか弾けなかったし、もう後には引けなかったし。
要は、その音が鳴ればいいんでしょ?少年は6弦を中指で押さえた。

教本にはたぶん意味がある

教本はきっと、薬指で統一しているんじゃないかと思います。教本なんか読まないので分からないけれど。※1
思いつく理由はG7やGsus4なんかに移行しやすいから。人差し指が空いていたら大活躍のはず。違ったらごめんなさい。

それでも慣れたらなんとかなるもので、いつの間にか6弦を薬指で押さえられるようになっていました(小指が頑張れるようになった、の意)。曲中に必要性を感じればそうするし、必要なければ?あの頃と同じ、中指のままです。

初心者の壁

初心者がぶつかる壁はいくつかある。【コードの押さえ方】の次は【コードチェンジ】のはず。【F】の壁なんかもっと先でいい。弾かなきゃいいんだから(吉田拓郎もテレビで言っていた)。
すぐに「Fの壁がさあ」と言いたがる人は、コードがぶつぶつ途切れても気にならないか、そもそも弾きたい気持ちが本気じゃなかったか、あるいは天才だ。

壁をどこに設定するか

さっき書いた「教本の押さえ方だとコードを移行しやすい」というのは、後に待ち構えている【コードチェンジ】という壁で楽ができる可能性があるという意味。実はGの6弦を薬指で押さえられれば、Cとの行き来も移動量が少ない。
でも、先を見据えて教本通りにこだわって【コードの押さえ方】の壁を越えられなかったらどうするのよ。やめちゃうじゃない、せっかく始めたのに。

だから「押さえやすい方でいい」んです。
続けたらなんとかなる、続けるのは大変、続けられるように壁を低くする。やめないでよ…寂しいじゃない。

【コードチェンジ】の壁を低くする方法もあるのだけど、それはまた別の機会に。
"初心者のままやめないための記事"はこれからも書いてみたい。

僕は泳げない

指の股に切れ目を入れたピアニストは、やはり水泳で少し不利になったりしたのだろうか…泳げない僕にはどのみち分からないことだけど。


(2024.3.14追記)
※1 教本とは呼べないかもしれないけど、[ギターコード表]で検索かけて出てきたもののいくつかは、Gコード6弦を押さえる指に「中指」を指定しているものが存在しました。ごめんなさい。

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